来年「稼げる」注目の若手騎手は泉谷楓真と秋山稔樹! 新人最多勝の腕利きと関東トップの穴職人…… 狙える条件はこれだ
27日、2020年度の記者クラブ賞は、中央競馬関西放送記者クラブ賞に泉谷楓真騎手(19歳、栗東・本田優厩舎)、民放競馬記者クラブ賞には秋山稔樹騎手(19歳、美浦・蛯名利弘厩舎)がそれぞれ受賞したことが、JRAのHPにて発表された。
泉谷騎手の選考理由は「新人最多の19勝を挙げるとともに、騎乗停止がなかったことが評価されたため」である。
これに対し、泉谷騎手は「まず、これまで乗せていただいたオーナーをはじめ、厩舎関係者のみなさまにお礼を申し上げます」と関係者への感謝の気持ちを伝えるとともに、「しかし、本来ならもっと勝てたはずのところ取りこぼしたレースも多くもっと上手くならなくてはならないと思いました」とさらなる騎乗技術向上へ意欲を見せた。
今年デビューした同期で唯一関西の厩舎に所属した泉谷騎手。目標とする騎手は四位洋文元騎手で、馬に負担をかけない騎乗を見習いたいとしている。騎手免許交付初日に15頭立ての6番人気だったメイショウヒバリに騎乗してデビュー戦を同着勝利で飾った。若年ながらも乗れる若手騎手として来年の飛躍が期待されている。
また、秋山稔騎手の選考理由は「今年17勝を挙げ、関東でデビューした3名の中で最も多く、東西を通じても泉谷騎手に次ぐ2位の成績であること。また、2回札幌初日には、1日3勝をマークするなど、ファンにアピールした点を高く評価されたため」である。
秋山稔騎手は「沢山いい馬に乗せていただいたおかげでこのような成績を残すことができ、関係者の皆様に感謝しています。ただ、決して自分では満足いくような数字ではなかったので、今年の反省を生かして来年は個々の馬の全能力を引き出せるように頑張りたいです」とコメント。目標とする騎手は武豊騎手で、馬と折り合わせる技術に優れていることを尊敬している。
来年も鎬を削ることとなるライバル2人だが、ともにダートの中距離で好成績を収めている。現在のところ、いずれも芝よりはダートが得意な騎手といえるだろう。
泉谷騎手は関西2場の騎乗数の多さが特徴だ。若手騎手は中央4場よりもローカルの騎乗が多くなりがちだが、トップジョッキーが集まりやすい中でこの成績は価値がある。19勝の内訳も3番人気以内で12勝を挙げており、人気で信頼できる騎手といえる。
対する秋山騎手はローカルでの騎乗がメインだ。なんといっても魅力は二桁人気の穴馬での激走。全17勝のうち、3番人気以内での勝利が6勝に比して4番人気以下の勝利は11勝と見事な穴騎手ぶりを発揮している。
受賞理由となった札幌での1日3勝も6番人気、4番人気、7番人気とすべて穴馬で挙げたものだった。
人気で信頼の泉谷騎手、穴で期待の秋山騎手とキャラクターも異なるのが面白い。
来年も注目したい若手のホープといって間違いなさそうだ。