JRA C.ルメール「単勝1.5倍」4着もダート1800m「2:01.9」に騒然……100万馬券の大波乱「超超スローペース」に思い出されるあの天皇賞馬

 11日、中山競馬場で行われた6R新馬戦は、7番人気のトミケンベレムド(牡3歳、美浦・小西一男厩舎)が勝利し、2着に最低10番人気のヤギリエール、3着に9番人気のクープドゥフランスが入線。

 一方、C.ルメール騎乗の単勝1.5倍リトルカプリースが4着に敗れ、三連単は115万3850円の波乱となった。

 レース後、「恵まれましたかね。(2着ヤギリエールと)併せ馬の形になって、ハミを取ってくれた」と語ったトミケンベレムドの小西一男調教師だが、その2着馬も厩舎の管理馬。見事な“作戦勝ち”といえるが、10頭中10番人気と7番人気を出走させてのワンツーゴールは師にとっても僥倖だろう。厩舎にとっても、印象深い2021年の初白星となった。

 そんな大波乱の一戦だったが、配当以上の注目されたのが勝ち時計の2:01.9だ。ある程度競馬に詳しいファンなら、すぐに芝2000mの勝ち時計を想像するだろうが、実はレースはダート1800mだった。

「新馬戦は各馬が初めてのレースということもあって超スローペースになりがちですが、いくら何でもこれは遅すぎましたね。

特に600mからの15.0秒、14.9秒というラップは、まさに15-15(1ハロンを15秒平均のスピードで走る軽めの調教)……。昨年、稍重で行われたステイヤーズS(G2)の最も遅いラップでさえ14.1秒ですから、如何に遅いラップだったのかがわかります。ダート1800mで勝ち時計が2分を超えたのは、ちょっと記憶にないですね」(競馬記者)

 ちなみに同日の中山ダート1800mでは2つの未勝利戦が行われたが、勝ち時計は1:57.3と1:56.8と4秒以上速いタイムだった。ただ、これだけ時計が遅いと勝ったトミケンベレムドはもちろん、敗れた馬たちも出世が見込めないのかと言えば、必ずしもそうではないようだ。

「昔、メジロブライトという馬がいましたが、そのデビュー戦は芝の1800mで2:01.6という非常に遅い時計が話題になりました。しかし、本馬は同じ1800mだった2戦目で約10秒時計を詰めると、2歳の暮れにはラジオたんぱ杯3歳S(G3、現ホープフルS)を制覇。クラシックでも活躍すると、古馬になってから天皇賞・春(G1)を勝ちました。

また、メジロブライトのデビュー戦で2着だったパームシャドウも後にオープンを勝ってNHKマイルC(G1)に出走。3着のアポテオーズも古馬になってから天皇賞・春でメジロブライトとの再戦を果たしています。

一般的に時計の遅いレースはレベルが低く評価されがちですが、逆にここまで遅いと一般的な常識から外れることがあるのかもしれません」(同)

 今回のトミケンベレムドは10頭中7番人気と決して前評判が高かった馬ではないが、実はメジロブライトもデビュー戦は6頭中6番人気、それも単勝58.9倍という抜けた最低人気だった。

「テンは進んで行かなかったけど、まくってきた2着馬(ヤギリエール)に反応して動いてくれた。そこからはスムーズでした」

 レース後、そうトミケンベレムドの好走を称えたのは鞍上の野中悠太郎騎手だ。現時点での評価は決して高くないかもしれないが、こういう馬が後々大仕事をするのかもしれない。

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