JRA「不安要素は僕だけ」戸崎圭太の”名言”も誕生!? フィエールマン負かしたAJCC(G2)復活劇…… 角居厩舎×金子オーナーの秘蔵っ子に訪れた悲運
積極果敢に最後の直線を3番手から抜け出すと、外から必死に追い上げるフィエールマンの猛追をアタマ差凌ぎ切っての勝利。ポテンシャルの高さに翳りを見せるどころかさらなるパワーアップを印象付けたのである。
この復活を受け、戸崎騎手とコンビを組んだ復帰2戦目の阪神大賞典(G2)では、1番人気に見事応えてみせた。2着馬に5馬身という決定的な差をつけての圧勝。春の天皇賞(G1)へ向け、主役として名乗りを上げた瞬間だった。
レース後、戸崎騎手から「強かったです。3000m以上で僕は勝っていなかったので、そういう意味では不安要素は僕だけだったので、勝ててよかったです」とユーモア溢れるコメントも飛び出したことも、本番での手応えを感じていたからに他ならないだろう。
しかし、好事魔多しとはまさにこのことだろうか。
シャケトラは大目標である春の天皇賞を目指して調整されていたが、追い切りで左前第一指骨粉砕骨折を発症して予後不良と診断された結果、最終的に安楽死の処置がとられた。
長かった雌伏の期間を終えた6歳春、素質が開花した途端に志半ばで散ってしまったことは、競馬界にとっても大きな損失となった。