JRA武豊「何とも言えない大物感」ディープモンスターの次走は「破滅への道」!? 「ダービー3番人気」「菊花賞2着馬」が餌食に……
21日、梅花賞(1勝クラス)の勝ち馬ディープモンスター(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)がすみれS(L)へ向かうことが明らかになった。鞍上は引き続き武豊騎手が務める。
8月の小倉でデビュー戦を迎えたディープモンスターだったが、レース前に放馬して競走除外。圧倒的1番人気の馬がデビュー戦から競走除外となったことは、多くのファンに強烈なインパクトを残した。
10月に仕切り直しの新馬戦を快勝し、次走のエリカ賞(1勝クラス)は超スローペースが災いして、脚を余す形の2着。梅花賞は荒れた馬場をものともせず、抜群の末脚で制した。
3戦2勝という成績で、クラシックにも期待がかかる注目馬について武豊騎手も高く評価している。
梅花賞を制したことについて、自身のホームページの日記で「聞かれるたびに『なんとも言えない大物感がある』と表現していましたが、あの1戦でそれが少しわかってもらえたかもしれません。無事に行ってほしい馬です」とコメント。なんとも言えない大物感という独特の表現ではあるが、これまでに数多の名馬に跨ってきた名手がそう口にするだけでも、かなり期待できそうだ。
ただ、次走にすみれSを選択したことで、悪夢がよぎる……。
オーナーであるDMMドリームクラブと池江厩舎のタッグと言えば、3年前のすみれSを制したキタノコマンドールと同じだ。
セレクトセールで1億9000万円という高額落札され、ビートたけしさんが命名したことで話題となったキタノコマンドール。馬主事業に参入したばかりの同クラブにとって広告塔としても大きな期待が寄せられた。
じっくりと調整され、12月のデビュー戦を優勝すると、次走にすみれS(L)を選択。前評判は高かったが、追い切りの動きがイマイチということもあり、レースでは3番人気に甘んじた。だが、上がり最速の末脚を繰り出し、見事に優勝。念願のクラシックへとコマを進めることになった。
ここまでは順風満帆な競走生活だったが、皐月賞(G1)を5着に敗れて初黒星を喫する。その後、優先出走権を獲得した日本ダービー(G1)に挑戦することが発表されるも、調整期間はデビュー前にも症状が見られたコズミが再び出たことで、陣営は調整に苦慮した。
迎えた本番は3番人気の支持を集めるも、12着に惨敗。さらにレース後には右前脚浅屈腱炎を発症したことが判明し、長期休養を余儀なくされた。復帰を目指していたが、昨年6月に再び屈腱炎を発症して引退が決定。結局、わずか4戦で現役生活に幕を下ろした。
DMMドリームクラブ×池江厩舎のディープモンスターとしては、キタノコマンドールの無念を晴らすためにも、すみれSを制してクラシックで結果を残すことが期待される。
さらに池江厩舎のすみれS勝ち馬にはサトノルークスもいるが、こちらも“曰くつき”だ。菊花賞(G1)で2着に好走するも、その後骨折が判明。8か月の休養を経て復帰するも、重賞に3度出走してすべて掲示板を外す凡走に終わっている。
池江厩舎のすみれS勝ち馬がいずれもケガに泣いているというジンクスはディープモンスターにとって他人事ではないだろう。
このレース選択が吉と出るか凶と出るか……。長い目で見れば、注意が必要かもしれない。