JRAジャパンC「幻の1番人気」ヨシオが今年もお騒がせ!? 世紀の一戦参戦、G1連闘、東京大賞典回避……始動戦も「サプライズ」な選択
昨年の年度代表馬争いは稀に見る混戦となった。芝G1・9勝を達成したアーモンドアイ(年間G1・3勝)、無敗で3冠を達成したコントレイル、同じく無敗牝馬3冠のデアリングタクトと3頭が大記録を達成。さらにグランアレグリアがG1・3勝、クロノジェネシスがグランプリ春秋制覇と、超ハイレベルな選考となった。
最終的にアーモンドアイが年度代表馬に輝いたのだが、この決め手となったレースは3頭の3冠馬が一堂に会したジャパンC(G1)である。
アーモンドアイにとって引退レースとなるジャパンCは、コントレイル、デアリングタクトと最初で最後の対決。まさに最強馬決定戦ということで、多くのファンが熱い視線を注いだ。
結果は1着アーモンドアイ、2着コントレイル、3着デアリングタクトという3強による決着となり、無敗の3冠馬2頭を破ったアーモンドアイが最も強いという図式が出来上がり、年度代表馬選出の大きな後押しとなった。
この世紀の一戦は3強以外にも大きな注目を集めた馬がいた。
それは新馬戦以来、5年4か月ぶりの芝レース出走となったヨシオ(牡8歳、栗東・森秀行厩舎)である。67戦連続でダートレースを使われてきた馬が、最強馬決定戦に参戦することは異色の存在として登録の段階から話題を呼んだ。
『netkeiba.com』の予想オッズでは一時、ヨシオが1番人気想定になるという事態に発展。これにはファンの遊び心も影響しているとはいえ、一部の間では3強以上に注目を集めたのは紛れもない事実である。
さらに世間を驚かせたのが翌週のチャンピオンズC(G1)にも参戦したことだ。1週前の特別登録の段階では「冷やかしだろう」と多くのファンが思っていたが連闘を敢行。芝、ダートの頂上決戦に2週連続で挑戦するという離れ業を成し遂げた。
だが、結果はどちらも最下位……。
さらに年末の東京大賞典(G1)にも登録を行い、出走馬に選定されたことが取り沙汰された。しかし、同レースを回避して、激動の2020年を終える。
この1年でアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトといった実績で名を上げた馬もいるが、話題性だけで最も知名度を上げたのはヨシオで間違いないだろう。
そんなヨシオは明け8歳となり、今年もサプライズを用意してくれた。
なんと始動戦に選んだのは、23日の小倉4R障害未勝利戦。久々の芝挑戦、G1連闘に続いて、障害レースという新天地で今年の初戦を迎えることになった。
過去20年で前走G1から障害へ転向した馬はわずか2頭。それだけ稀有な挑戦をするヨシオは、今年もファンを驚かせ続けるかもしれない。