JRA藤岡佑介で「見限る」には早いヴェロックス東京新聞杯(G3)! 「なぜここまで負けるのか」川田将雅に捨てられたからこそ狙える理由
不振にあえぐ実力馬が思わぬ岐路に立たされている。
7日、東京競馬場で開催されるマイル重賞・東京新聞杯(G3)に出走を予定しているヴェロックス(牡5、栗東・中内田充正厩舎)の近走はことごとく予想外の結果が続いた。
一昨年の牡馬クラシックを皆勤し、皐月賞(G1)を2着、日本ダービー(G1)を3着、ラスト一冠の菊花賞(G1)では1番人気に支持されるも3着敗退。勝利にこそ手が届かなかったとはいえ、世代屈指の能力の持ち主として評価は高かった。
相手も強かった同年暮れの有馬記念(G1)で8着に敗れたものの、断然人気となる単勝1.4倍を集めた昨年の始動戦・小倉大賞典(G3)をまさかの9着に大敗。主戦の川田将雅騎手がレース後、「あまりにも結果が出ませんでした」と首を傾げたように不可解な敗戦だったといえる。
それから約9カ月半が過ぎた昨年12月の中日新聞杯(G3)に出走したヴェロックス。現役トップクラスの実力を評価され、このレースでも1番人気の支持を集めた。結果は3着に敗れたものの、長期休養明けとしては悪くない内容だった。
休み明けを叩かれて、ファンが完全復活を期待したのも無理はない。
1月の日経新春杯(G2)は、武豊騎手とのコンビで4連勝中だった素質馬のアドマイヤビルゴに1番人気を譲りはしたが、ヴェロックスと川田騎手のコンビも2番人気でこれに続いた。
しかし、二強対決といわれた戦前の下馬評とは裏腹にヴェロックスは9着、アドマイヤビルゴは10着と揃って完敗。開催の続いた中京の特殊な馬場の影響も少なからずあったかもしれないが、あまりに不甲斐ない結果だったといえる。
レース後、コンビを組んだ川田騎手がヴェロックスの敗戦に対し、「勝ち馬の内でリズムよく競馬ができて、なぜここまで負けるのか」とコメントいたことからも、納得がいかなかった心情が窺える。
これがきっかけとなったのか、ヴェロックスは次走の東京新聞杯に藤岡佑介騎手とのコンビで向かうことが発表された。
ヴェロックスの復活に期待するファンにとっては、19年の若駒S(L)から10戦連続で手綱を取って来た主戦騎手の乗り替わりは寝耳に水だったに違いない。
だが一見、川田騎手に見捨てられたようにも感じるが、藤岡佑騎手へのバトンタッチはヴェロックスにとって好材料となる可能性も捨て切れないのだ。