武豊の「悪夢」が抽選突破!『JRA全G1制覇』が懸かる天才騎手が「最も警戒すべき」は怪物の娘ではなく「空気が読めない」あの男!?
確かに、ミスエルテが警戒されて当然の存在であることは否定しない。牝馬ながら底知れぬスケールを秘めており、デビュー戦を快勝したものの時計的には平凡の域を出なかったクリアザトラックと比較しても、人気を集めるのは間違いなくこちらだ。
ただ、昨年の朝日杯FSは武豊騎手にとって「悪夢」のようなレースだったことを覚えている人も多いのではないか。
武豊騎手の大記録達成を願うファンの後押しもあり、単勝1.5倍の1番人気に推されたエアスピネルと共に挑んだ朝日杯FS。本人が「今年こそ!」と意気込んだ通り、最後の直線で堂々の横綱相撲を演じたが、最後の最後でリオンディーズの強襲に遭い涙を飲んだ。
その差はわずか0.1秒差。数多くの勝利を重ねる代わりに、数多くの敗戦も重ねてきた武豊騎手だが、中でもこの屈辱の敗戦はまだ記憶に強く残っているはずだ。レース後は「空気の読めないイタリア人がいたので……」と気丈に報道陣の笑いを誘ったが、根っからの負けず嫌いだけに内心は相当悔しかったのではないだろうか。
武豊騎手にとって”仇敵”となったリオンディーズは当時1戦1勝の身ながら、母に日米オークスを勝ったシーザリオ、兄に菊花賞馬のエピファネイアがいる良血馬。”空気の読めないイタリア人”M.デムーロ騎手の巧みなエスコートで、武豊騎手の『JRA全G1制覇』を寸前のところで打ち砕いた格好だ。史上初の1戦1勝馬による朝日杯FS制覇に導いた角居調教師の決断力と手腕も見事としか言いようがなかった。
あれから1年。「M.デムーロ騎手」が手綱を執り、「角居調教師」が連覇を狙って送り込む「良血」の「1戦1勝馬」クリアザトラック。昨年の”誰か”にそっくりなのは、もう述べなくともわかるだろう。