JRAフラワーⅭ(G3)波乱の主役は「シーザリオ」!? 打倒ソダシを胸にクラシックで旋風を巻き起こすのは、デアリングタクトに続いて孫娘から?
20日、中山競馬場でフラワーⅭ(G3)が行われる。3月3週目に組まれる芝1800mの施行条件は桜花賞とオークスを両睨み出来るとあって、出走予定メンバーも短距離志向から長距離志向まで出揃う。ここで賞金を加算出来れば一気に今後の展望が開けてくるので、各陣営も勝負度合いの強い、白熱したレースになるだろう。
思えば2005年のフラワーⅭは「凄い馬」が勝利した。今は亡きシーザリオだ。福永祐一騎手を背に無敗でこのレースを制して桜花賞(G1)に向かい、堂々の2着。桜花賞馬となったラインクラフトに騎乗していたのは福永騎手だった。一度限り許した浮気が彼女の生涯唯一の敗戦となったのは運命の悪戯だろう。その後、ヨリを戻した二人は圧巻の走りで日米オークスを連勝した。
帰国後、種子骨靭帯炎を発症したため6戦5勝の戦績を残してシーザリオは引退。そして彼女は母としてさらに大きな功績を残すことになる。
2010年にシンボリクリスエスとの間に生まれたエピファネイアは菊花賞(G1)とジャパンⅭ(G1)を、2013年にキングカメハメハとの間に生まれたリオンディーズは朝日杯FS(G1)を、2016年にロードカナロアとの間に生まれたサートゥルナーリアは皐月賞(G1)を制した。
ともあれ上記3頭は種牡馬入りし、既に産駒のデビューしているエピファネイアとリオンディーズの成績は上々だ。エピファネイアは三冠牝馬デアリングタクト、21日の阪神大賞典(G2)のみならず、その後の天皇賞・春(G1)でも最有力候補と目される「コントレイルを脅かした馬」アリストテレスを輩出。そして14日にアネモネS(Ł)を鮮やかに差し切り、WIN5史上最高配当5億5444万6060円を演出した勢いそのままに桜花賞(G1)へと挑むアナザーリリックはリオンディーズ産駒だ。フラワーⅭにはこの「旬の血統」を持つ以下4頭が出走登録している。
【エピファネイア産駒】
オレンジフィズ(牝3、美浦・木村哲也厩舎)北村宏司
テリオスマナ(牝3、栗東・松下武士厩舎)大野拓弥
【リオンディーズ産駒】
アビッグチア(牝3、美浦・堀井雅広厩舎)嶋田純次
テーオーラフィット(牝3、栗東・上村洋行厩舎)田中勝春
収得賞金400万円の登録馬17頭中11頭が出走可能なのでまずは抽選突破が彼女達の課題だが、晴れて出走の運びとなればアネモネSのアナザーリリック同様、台風の目となるかも知れない。
自身が飛躍の足掛かりとしたフラワーⅭ。孫娘が同じ蹄跡を辿ることを天国のシーザリオも願って止まないはずだ。