五郎丸は驚愕、武豊は脱帽……海外からの出稼ぎ軍団に、日本人はもはや虫の息

 相撲、野球、ラグビーなど、今や日本のスポーツにおいて外国人選手の影響は強まるばかりだ。大相撲は横綱をモンゴル人が独占し、プロ野球はアレックス・ラミレスがDeNAベイスターズの監督に就任。ラグビーも多くの外国人選手が帰化して日本代表として出場し、ワールドカップで勝利の原動力となった。

 これらの傾向は、競馬も例外ではない。

 日本の高額賞金を求めて、例年多くの外国人騎手が単騎免許で来日し、2~3カ月ほどの滞在で数百万円を稼いで帰るのだが、今年は3月から、史上初となるJRA所属の外国人騎手が2名誕生した。

 その2名、ミルコ・デムーロとクリストフ・ルメールはさっそく勝利を積み重ね、日本人騎手を圧倒する勝率で年間100勝をあっさり達成。1月から騎乗している武豊騎手とほぼ同じ勝利数を、デムーロは3月から、ルメールは4月からの騎乗で成し遂げたのだから恐れ入る。さらにデムーロは、初年度から皐月賞と日本ダービーを制しているのだから、いかにその力が圧倒的であるかわかるというもの。

 先日、東京競馬場で第35回ジャパンカップが行われたが、この日はルメールとデムーロに加え、単騎免許で来日していたムーア、シュタルケ、ベリーといった外国人騎手が騎乗したが、驚くことにこの日行われた全11レース中5レースで、外国人騎手のワンツーフィニッシュという出来事があった。特に後半6レースのうち6R、7R、9R、10Rの4レースを勝利と圧倒的内容だったが、極めつけはメインのジャパンカップだ。

 勝利したショウナンパンドラは日本人の池添騎手が騎乗したが、多くの競馬ファンは、勝った馬よりも2着ラストインパクトに気を取られただろう。昨年12月以降5戦して1着どころか2着もなく、前走の天皇賞(秋)も12着、今回も7番人気の低評価だった同馬が2着に飛び込む波乱となったからだ。

 しかし、誰もが騎手の名前を見て納得する。この馬は今まで日本人しか騎乗していなかったが、今回初めて外国人騎手のムーアに乗り替わっていたからだ。

 ムーアは、この日行われた3R、6R、9R、10Rを勝利しており、ジャパンカップまでに8戦4勝と見事な成績をおさめていた。

「やはり外国人騎手は別格」「今まで乗せていなかった厩舎がバカだった」「ずっとムーアだったらさらに3億円は稼いでいる」「今まで乗っていた日本人が下手だっただけ」などネット上には厳しいコメントが並んでいたが、ラストインパクトの調教師である松田博資氏が「騎手が違いすぎる」とコメントしていたことから、関係者の視点から見ても同じ意見なのだろう。

 5名の外国人騎手に対して、数倍の日本人騎手がいながらこれだけ圧倒的な差を付けられるのは、やはり「腕」が違うと考えざるを得ない。

 いずれにしても、この日は外国人騎手と日本人騎手のレベルの差をまざまざと見せつけられた一日で、ジャパンカップのプレゼンターとして来場した、ラグビー日本代表の五郎丸歩選手も驚いたに違いない。

 外国人騎手の活躍は今に始まったことではなく、過去にはオリビエ・ペリエが6連敗中だったゼンノロブロイに騎乗して天皇賞(秋)~ジャパンカップ~有馬記念で三連勝を成し遂げるなど、その実績、存在感は以前より知られていた。そのペリエは、日本の税務署と所得税の見解に相違があって対立し(結果1000万円ほどの所得税を日本の某馬主が立て替えたという)、日本で騎乗することはなくなってしまったが……。

 海外にはまだまだ凄腕の外国人騎手がいるようで、賞金が高いにも関わらず騎手のレベルが低い日本を目指して今後も「出稼ぎ」は止まらないだろう。日本人騎手には、どうにか意地を見せてもらいたい。

GJ 編集部

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