JRA 武豊「難しいレースになりました」悪夢の再現でファンも失望!? マイシンフォニー素質証明の上がり最速「33.6秒」も届かない騎乗に非難の声
19日、東京競馬場で行われた新馬戦は、C.ルメール騎手の騎乗したアライバル(牡2歳、美浦・栗田徹厩舎)が優勝。単勝1.8倍の1番人気に応え、デビュー戦を勝利で飾った。
16頭立ての1600m戦。レースは稍重馬場となった芝コースで行われた。スタートで後手を踏んだアライバルは、鞍上のルメール騎手に促され道中は中団前目を追走。最後の直線で外に持ち出すと、レース後にルメール騎手が「楽勝でした」と振り返ったように、2着プルパレイに2馬身半差をつけて快勝している。
一方、2番人気ながら4着に敗れたのが、武豊騎手が騎乗したマイシンフォニー(牝2歳、栗東・松永幹夫厩舎)。デビューから3連勝で京都2歳S(G3)を制したマイラプソディの半妹ということもあり注目を集めたが、こちらは不完全燃焼のレースとなった。
マイシンフォニーはスタートで出遅れ、内枠ということもあり後方の内目を追走。直線では外に持ち出そうとしたが外のナカガワフェイスにブロックされ、馬群を突いて最後は盛り返したが4着までが精いっぱいであった。
内枠からの後方追走で、直線で包まれる競馬。武豊騎手が騎乗した兄マイラプソディのエプソムC(G3)を再現するような競馬に、SNSや掲示板を通じて一部の競馬ファンからは「同じ乗り方しか出来ないのかよ」「あの位置では詰まって当然」「雨の16頭立てで最後方とか……」と、武豊騎手の騎乗に非難の声も挙がっている。
とはいえ、稍重馬場で上がり最速の33.6秒。見どころ十分の競馬に、今後への期待を膨らましたファンも多かったはずだ。
ゴールを過ぎてからは勝ち馬アライバルに並びかける勢いで、鞍上の武豊騎手もレース後「ラストはいい脚を使いましたし、素質は感じましたよ」とコメント。松永幹夫調教師もレース前には『スポニチ』の取材で、G1を4勝した元管理馬のラッキーライラックと比較し「素質は引けを取らないモノがあると思います」と語っており、両者ともにポテンシャルを高く評価している。
「武豊騎手がレース後『ゲートを出なくて、レースの流れがスローだったので難しいレースになりました』と語っていたように、今回は内枠に加えスタート後の出遅れと不運が重なった印象です。
向正面では若干行きたがる面も見られましたし、直線で見せた末脚の切れ味からも渋った馬場もマイナスだったのではないでしょうか。スムーズなら巻き返しも期待できそうです」(競馬記者)
確かに今回は内枠で出遅れたことに加え、直線でも稍重の馬場が影響した感は否めない。1度使ったことでガス抜きされ、気性面も改善される可能性はあるだろう。
父ディープインパクトの良血馬で、期待も大きいマイシンフォニー。次走の巻き返しに期待したいところだ。(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。