JRAダノンプレミアムが川田将雅と歩んだ天国と地獄! フジキセキ2世から転落した早熟の天才に待ち受ける過酷な運命、惜しまれるのは2年前の不可解ローテ
ラストランとなった今年の安田記念では、主戦の川田騎手が同じダノックスのダノンキングリーとのコンビで優勝。4戦無敗で2歳G1を制した天才にしては、どこかしら哀愁すら漂う結末だったかもしれない。
惜しむらくは19年の大阪杯(G1)を登録すらされずに回避したことだろう。このレースは、スローペースで前残りする展開を味方に9番人気アルアインが優勝。川田騎手は2番人気キセキに騎乗するもクビ差の2着と敗れている。
当時、両馬の主戦を任されていた川田騎手の鞍上問題に配慮したのではないかという声も出たが、先行力のあるダノンプレミアムが出走していれば、おそらく勝ち負けしていた可能性が高いだろう。
種牡馬入りが決まった同馬は、19年に亡くなったディープインパクトの後継種牡馬としても大いに期待されている。
とはいえ、自身が低迷している間に無敗の三冠馬コントレイルが登場したのはツキがない。すでに陣営から年内での引退が発表されており、同期となるダノンプレミアムにとって無視できない存在だ。
競走生活から解放された種牡馬となってもコントレイルが立ちはだかるフジキセキ2世の過酷な運命に、エールを送らずにはいられない。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。