JRAメイショウ軍団「三本の矢」再び! “大失敗”CBC賞(G3)から一転、今週はそろってチャンスあり、プロキオンS(G3)「波乱」の主役へ!
11日、小倉競馬場では第26回プロキオンS(G3)が行われる。本来は中京のダート1400mが舞台だが、京都競馬場の改修工事の影響で昨年は阪神1400m、今年は小倉の1700mで実施される。
今年はフルゲート16頭に対し、23頭が登録。賞金順13、14、16番目で出走枠を確保しているのが、メイショウの冠名で知られる松本好雄オーナーの所有馬3頭である。
実は松本オーナーは、先週のCBC賞(G3)にも所有馬3頭を送り込んだが、そろって惨敗。多頭数出しは大失敗に終わっていた。
「松本オーナーは馬主歴40年を超える大御所。高額の良血馬はあまりいませんが、毎年50頭前後を所有し、これまでメイショウサムソンやメイショウマンボなどがG1を勝っています。現在JRA所属の現役馬は160頭ほど。同じく大物個人馬主の金子真人オーナーが70頭ほどなので、いかに大所帯かが分かると思います。
これだけ多くの馬を抱えているため、2頭出しは日常茶飯事。3頭出しも今年に入って18レースほどに上ります。ちなみに重賞レースの3頭出しは、先週のCBC賞で5回目でした。過去の15頭の中で馬券に絡んだのは、1995年シンザン記念1着のメイショウテゾロだけですが、今週のプロキオンSは面白い存在だと思いますよ」(競馬記者)
3頭の中で最も期待できるのはメイショウワザシ(牡6歳、栗東・南井克巳厩舎)だろう。これまで小倉のダートでは5戦して「3-1-0-1」という小倉巧者でもある。2着だった昨年8月の阿蘇S(OP)では、後に重賞2勝のオーヴェルニュにも先着している。
鞍上は2走前の吾妻小富士S(OP)で2着に導いた西村淳也騎手。コンビ通算「2-3-0-2」という相性の良さも光り、得意舞台で大駆けがあってもおかしくないだろう。『netkeiba.com』の予想オッズでは、6番人気に想定されている。
同オッズ7番人気に想定されているのがメイショウカズサ(牡4歳、栗東・安達昭夫厩舎)だ。昨年6月にキャリア9戦目で初勝利を挙げると、怒涛の4連勝。初勝利から5か月足らずでオープン入りを果たした。
昇級後は3戦続けて大敗を喫しているが、一息入れて臨む今回は中間の動きが抜群。栗東坂路での2週前追い切りで自己ベストの52秒0をたたき出すと、1週前追い切りで51秒6をマークし、あっさり塗り替えた。2勝クラスをこの舞台で完勝しており、チャンスは十分あるだろう。
3頭目の刺客が想定16番人気のメイショウウズマサ(牡5歳、栗東・安田隆行厩舎)だ。3頭の中では最も人気薄となりそうだが、近走の安定感は随一。2走前の栗東S(L)は0秒2差の3着、前走のアハルテケS(OP)は、0秒1差の4着と、ともにハナを切って粘り腰を見せている。
これまで最初のコーナーを先頭で通過した9戦は「4-0-3-2」で、2度の着外も4着と安定している。重賞初挑戦となるが、すんなり逃げることができれば、見せ場は作れそうだ。
松本オーナーにとって、2週連続6度目となる重賞3頭出し。1頭でも馬券に絡めば小波乱。もし2頭が絡めば、大波乱となるが……。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。