JRA G1未勝利騎手の「匂わせ」発言がプチ炎上!? 「もはやトップとかG1への憧れはそんなにない」ファンから批判に晒された騎乗スタンスの真意とは
一部のトップクラスのジョッキーに有力馬が集中し、仮に騎乗技術では見劣らない騎手がいたとしても、勝ち負け可能な騎乗馬を確保出来なければ、結果を残すことが難しいのは事実である。
一昔前なら、調教師が厩舎所属の騎手にチャンスを与えて育てるという慣例もあったが、近年では生産者側の発言力も強くなり、かつてに比べると若手騎手がなかなか育たない側面も懸念されている。
また、短期免許で来日する外国人騎手、JRAに所属となったC.ルメール騎手やM.デムーロ騎手など国内外のライバルとも競う必要もあり、熾烈な競争を勝ち抜くには一筋縄ではいかない事情も増えた。運よくチャンスを掴もうにも、乗り替わりに怯えながらでは、モチベーション低下にも繋がりかねない。
今回の発言の真意は分かりかねるが、騎手としての手腕より、政治力やコネのような後ろ盾がなければ、やる気があっても空回りしてしまうことへのアンチテーゼのようなニュアンスもあるのかもしれない。
ちなみに2007年にデビューした宮崎騎手は同期の騎手に浜中俊、藤岡康太、丸田恭介、草野太郎らがいる競馬学校第23期生の世代で、現在32歳とまだ若い。
年齢的には3歳上の川田将雅騎手や、ひとつ下の松山弘平騎手がトップジョッキーとしてリーディング上位を賑わせているように、年齢的にも肉体的にもチャンスはまだまだあるはずだ。
宮崎騎手の新しいスタイルの今後にこれからも注目してみたい。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。