JRA 「5億円超え」で噂になったあの良血馬も出身! 千葉サラブレッドセールでNo.2の高額落札馬が武豊とデビュー、「7年5ヶ月ぶり」勝利を狙うパートナーとは
今年5月、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、オンラインによるオークション形式で開催された「2021年千葉サラブレッドセール」。
大ヒット競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』を手掛けるサイバーエージェント(Cygames)の藤田晋氏が、「プレミアステップスの19」を同セールの歴代最高価格となる5億1711万円(税込)で落札したのはまだ記憶に新しい。
一方で、約4億5000万円ほどの大差は開いたものの、同セールにて2番目の高額落札馬(6941万円・税込)だったのが、11日に行われる函館・芝1800mの新馬戦でデビューを予定しているアスクワイルドモア(牡2歳、栗東・藤原英昭厩舎)だ。
函館競馬場に入厩して調教が消化されており、最終追い切りでは併せた相手に馬なりで先着。調教パートナーを務める荻野琢真騎手は、「手足が長くて、いいリズムで走る。背中もよかったし、素直でいい馬」と好印象。追い切りを重ねるごとに前向きさも増しているようだ。
そんなアスクワイルドモアと実戦でコンビを組むのは武豊騎手。春のG1シリーズではほとんど良いところのなかった武豊騎手だが、夏競馬が始まると共に調子は徐々に上向き。札幌・函館合わせて5勝を挙げており、新馬戦も既に2勝と復調を感じさせている。函館2歳S(G3)でも好走が期待されたグランアプロウソは残念ながら故障してしまったが、後半戦の巻き返しに向けて有力2歳馬は1頭でも多く確保しておきたいだろう。
やや気になるのが、武豊騎手と藤原英昭厩舎の新馬戦での成績が、近年あまり芳しくないところだ。
実はここ7年5ヶ月の間、武豊騎手と藤原英厩舎のコンビは新馬戦で勝利がなく、最後に勝利を挙げたのは14年2月のプリモンディアルまで遡ることになる。そのプリモンディアル以降も、藤原英厩舎が武豊騎手に依頼した新馬の数はわずか5頭となっている。
ここで、その5頭を確認しておきたい。
16年10月 レッドオルガ 2番人気 5着
16年11月 メイズオブオナー 1番人気 3着
19年01月 トーセンスカイ 2番人気 2着
19年10月 ディープキング 2番人気 6着
20年11月 エイカイロイヤル 1番人気 5着
人気を集めるものの、なかなか勝ち切れない馬を依頼される傾向が強いようである。近年、藤原英厩舎からはシャフリヤールやミスターメロディ、ヴァンドギャルドといったG1馬や重賞活躍馬が新馬戦で勝利を収めているが、武豊騎手にそういった馬はあまり巡ってこないようだ。
「アスクワイルドモアの母ラセレシオンは青葉賞(G2)を勝利し、札幌日経OP(OP)をレコード勝ちしたペルーサの全妹になります。父キズナの代表産駒の1頭でもあるビアンフェは先月の函館スプリントS(G3)を勝利しました。血統背景的には洋芝への適性は高いと思われます」(競馬誌ライター)
なお、余談ではあるが、先述の千葉サラブレッドセールで4番目の高額落札馬だったショウナンマッハは先週、小倉の新馬戦で見事に勝利を挙げた。高額だからといって確実に走るというわけではないが、アスクワイルドモアにとっては追い風となりそうだ。
先週の新馬戦ではアルナシームを好騎乗で勝利へと導いた武豊騎手。北の大地で復調気配を見せるレジェンドが、今週はダービートレーナーの新馬を久々に勝利に導けるか注目したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。