JRA「自ブロック制」崩壊の新潟で関東騎手が大ピンチ!? 変則開催が招いたわずか5勝の惨状、関係者でも賛否が分かれた制度の問題点とは
勝利騎手の内訳は、関西所属騎手が20勝に対し、関東所属騎手はわずか5勝。こちらも断然、関西勢の圧倒的勝利に終わった。ちなみに馬券圏内に絡んだ73頭に騎乗した騎手をみても、関西騎手11名に対して関東騎手は5名。質量ともに関西ジョッキーが優勢な結果となった。
基本的に関西馬には関西騎手が、関東馬には関東騎手が騎乗するケースが一般的だが、そこは“実力社会”が見え隠れするシビアな騎手の世界。
例えば3頭を出走させた美浦・堀宣行厩舎では、そのうち2鞍は新馬戦で、24日は関西の川田将雅騎手がコリエンテスで2着。25日も関西の福永祐一騎手がレヴァンジルで3着。勝利こそ挙げられなかったとはいえ、期待馬のデビュー戦だからこそ、「東西の垣根を取っ払ってまで、関西の実力あるトップジョッキーに依頼した……」と考えるのは不思議ではないだろう。
昨今の「西高東低」は競走馬だけでなく、騎手にとっても例外ではない。
リーディング上位の吉田隼人騎手や、僅差で追う横山武史・和生の兄弟騎手など、関東のいわばエース級の騎手が皆、函館で騎乗していたという事実もあるが、関東圏の新潟競馬場で関西騎手に圧倒されては面白くないはず。
「自ブロック制」の“援護射撃”のない残り2週間。関東ジョッキーズの巻き返しに期待したい。
(文=鈴木TKO)
<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。