JRA武豊も騎乗した兄はG1で「大差レコード」の現役レジェンド! 超大物の弟がついに登場、芝1800mデビューも目指すは暮れの大一番?
再び「伝説」は始まるのか――。
31日、新潟競馬場では、新潟ジャンプS(J・G3)が行われる。
平地競走と比較すると、レース数も少なく注目度の低い障害競走。しかし、近年はオジュウチョウサンの活躍もあり、4月に行われた中山グランドジャンプ(J・G1)も大きく脚光を浴びた。
6連覇をかけて挑んだオジュウチョウサンであったが、勝ち馬メイショウダッサイからは2.5秒も離された5着に惨敗。障害G1レースの連勝記録は7でストップし、すでに10歳という高齢からも1つの時代が終わりつつある。
とはいえ、勝ち馬であるメイショウダッサイもすでに8歳。今後は年末の中山大障害(J・G1)に向けて毎月1回の障害重賞が行われるわけだが、次なるエース候補が求められているともいえるだろう。
今年の新潟ジャンプSでは、昨年の同レース勝ち馬フォイヤーヴェルクや、前走の東京ジャンプS(J・G3)で2着と健闘したホッコーメヴィウスが注目を集めそうだが、フォイヤーヴェルクは近走が頭打ちの状態。ホッコーメヴィウスにしても、前走で接戦を演じたスマートアペックスが中山グランドジャンプで4着に敗れている。
このような状況を考えると、まだまだ世代交代は先になりそうな雰囲気もある。これからはメイショウダッサイの時代が暫く続くのかもしれない。
そんな中、8月1日に新潟競馬場の芝1800mでデビューを予定しているのがオヒロイチョウサン(牡2歳、美浦・石毛善彦厩舎)だ。
兄は「G1・7勝」のオジュウチョウサンで、2018年に中山グランドジャンプで大差のレコード勝ちを収めると、同馬は有馬記念(G1)を目指し競走条件を平地へ転向。武豊騎手を背に開成山特別(1勝クラス)、南武特別(2勝クラス)と平地で2連勝を飾ったのは記憶に残るところ。平地競走でも好走した兄の活躍から障害でなくても侮れない存在だろう。
21日(水)にはレースでも騎乗する石川裕紀人騎手を背に、美浦の坂路コースで強めに追われ、4ハロン52.2秒と2歳の最速時計をマーク。僚馬ダンディチョウサン(2歳未勝利)を0.6秒追走して同入と脚取りは確かだ。
また、石川騎手といえば先週のアイビスSD(G3)をオールアットワンスで制しており、11番人気のテリトーリアルで勝利した小倉大賞典(G3)に続く今年の重賞2勝目も挙げたように好調だ。フローラS(G2)、ユニコーンS(G3)では、ともに14番人気で2着と人気薄でも結果を出しており、オヒロイチョウサンとのコンビでも期待がかかる。
平地でのデビューとなるが、兄の活躍から障害レースに期待するファンも多いはず。過去にはテイエムドラゴンが3歳で中山大障害を制しており、今後の状況次第では障害デビューもあるかもしれないが、まずは初陣に全力投球といきたいところだ。
(文=北野なるはや)
<著者プロフィール>
某競走馬育成牧場で働いた後、様々なジャンルの仕事で競馬関連会社を転々とする。その後、好きが高じて趣味でプログラミングを学習。馬券には一切のロマンを挟まないデータ派であるが、POG(ペーパーオーナーゲーム)では馬体派という奇妙な一面も持つ。