JRA 武豊「世界的良血馬」と再コンビ! エリザベス女王杯(G1)で約2年ぶり美酒狙うも、ファンの反応が冷ややかなワケ

 先週末に行われた秋の天皇賞(G1)は、皐月賞馬エフフォーリアが優勝。キャリア6戦目の3歳馬と、22歳の若武者・横山武史騎手のフレッシュなコンビが、見事に天皇盾を獲得した。

 今週は秋のJRA・G1連続開催はひと休み。次週14日には阪神競馬場でエリザベス女王杯(G1)が行われる。

 同レースで2019年の菊花賞以来、久方ぶりのG1制覇が期待されるのが、天皇賞では無念の騎乗馬なしに終わった武豊騎手だ。

 33年ぶりに秋の天皇賞を不参加となった同騎手は当日、裏開催となる阪神で騎乗。全9鞍で5番人気以内に推され、固め打ちも期待されたが、まさかの勝利ナシ。前日の東京開催でも未勝利に終わっており、先週は手綱がいまひとつ冴えなかったようだ。

デゼル 競馬つらつらより

 巻き返しも合わせて期待されるレジェンドは、デゼル(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)とのコンビ復活が想定されている。

 父ディープインパクト、母はフランスの二冠牝馬アヴニールセルタンという世界的良血である同馬は、昨年3月のデビュー戦で、武豊騎手を背に鋭い末脚を繰り出して優勝。次走スイートピーS(L)では、D.レーン騎手とのコンビで連勝を飾り、オークス(G1)では2番人気に支持されたが、マイナス8キロの馬体減の影響もあってか11着と精彩を欠いた。

 その後、再び武豊騎手とコンビを組んだローズS(G2)で4着。今年2戦目の初音S(3勝クラス)をC.ルメール騎手の手綱で勝利してオープン入りを決めると、4月の阪神牝馬S(G2)では川田将雅騎手に導かれて重賞初制覇。ヴィクトリアマイル(G1)8着、前走の府中牝馬S(G2)は2番人気で16着の大敗を経て、現在に至っている。

 武騎手とデゼルは、昨年のローズS以来のタッグとなる。約2年ぶりのG1制覇へ向けて歓迎ムードかと思いきや、ファンの反応は思いのほか冷ややかだ。

 デゼルは通算で4勝を挙げているが、良績は1800m以下に集中しており、2000m以上の距離は未勝利。特にコーナー4つのコースでは連対なしと、苦戦を強いられている印象である。ネットの掲示板には「デゼルに阪神の2200mなんて向くわけがない」といったコメントも寄せられており、早くも苦戦が強いられることを覚悟しているようだ。

「エリザベス女王杯は、秋華賞(G1)で武豊騎手が手綱を執ったステラリアも出走を予定しています。同馬は、今年4月の忘れな草賞(L)を快勝しており、阪神の内回り適性は高いとみられ、また秋華賞を叩いた上積みも期待されています。

今秋はピクシーナイトがスプリンターズS(G1)を勝利し、先週もエフフォーリアが秋の天皇賞を制するなど、3歳馬が絶好調です。今回はデゼルよりも、3歳のステラリアの方が魅力的なのでは、というのが武豊ファンの本音なのかもしれません」(競馬誌ライター)

 とはいえ、これまで数々のマジックを披露してきたのも武豊騎手である。デゼルは能力的にはG1でも充分に通用すると思われるので、あとは鞍上の工夫次第で一発があっても不思議ではない。久方ぶりのビッグレース制覇を目指すレジェンドの腕に注目したいところである。

(文=冨樫某)

<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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