JRA朝日杯FS(G1)「忘れちゃいけない」先週の大波乱、11万馬券の立役者はまたノーマーク? お宝ゲットはあのレースから狙え!
先週末の日曜競馬は、日本で2歳女王決定戦の阪神JF(G1)が行われ、香港ではG1レースが4つの香港国際競走が開催。国内外あわせてG1が5レースもあり、競馬ファンには何かと忙しい1日だったに違いない。
ヴァーズをグローリーヴェイズ、カップをラヴズオンリーユーがそれぞれ優勝した一方で、複数が落馬したスプリントでは、福永祐一騎手が負傷。香港の2頭が予後不良となるなど、痛ましいアクシデントも発生してしまったことは非常に残念である。
話を国内に戻すと、阪神JFを制したのはM.デムーロ騎手が騎乗した3番人気のサークルオブライフだった。デビューから4戦で2歳女王に輝いたとはいえ、ここまでのキャリア4戦で1番人気は一度もない馬だった。
今回の勝利により、次走では人気確実となりそうだが、4着に敗れたナミュールも出遅れる不利があった中での惜敗。今後も2歳牝馬は混戦模様が続いていきそうだ。
そして今週の朝日杯FSも、下馬評ではセリフォスを推す声が多いものの、先週の阪神JFで1番人気のナミュールが敗れたように、全幅の信頼を置くには怖さが残る。
セリフォスと人気を分けることが濃厚なジオグリフにしても、騎乗を予定しているC.ルメール騎手が、グランアレグリアで制したマイルCS(G1)からG1を3連敗中。決していい流れとはいえないだけに、両雄並び立たずどころか、2頭とも馬券圏外となっても不思議ではない。
そこであえて狙ってみたいのは、配当的な妙味の少ない人気馬より、高配当をプレゼントしてくれる人気薄の穴馬の方だ。今回注目したのは、8番人気ながら2着に食い込んだラブリイユアアイズである。
いや、厳密には同馬の出走していた京王杯2歳S(G2)組といった方が正しいだろうか。このレースは、8番人気の伏兵キングエルメスが穴を開けたこともあって、それほど高く評価されていなかった。
そのため、グレード的にG2ながらも3着に入ったラブリイユアアイズが、ほぼノーマークだった理由にも繋がっただろう。だが、その穴馬が3戦無敗のウォーターナビレラに先着し、G1勝利まであと一歩の接戦を演じたことは見逃せない。つまり、ファンが想像していたよりもレースレベルが高かったということになるからだ。
残念ながら勝ち馬のキングエルメスは、骨折により戦線離脱を余儀なくされたが、2着馬のトウシンマカオ(牡2、美浦・高柳瑞樹厩舎)は、朝日杯FSに戸崎圭太騎手とのコンビで出走を予定している。
「トウシンマカオは、少し面白いなと思っていた1頭です。先行力のあるタイプでロスのない競馬が期待出来そうです。個人的にもキングエルメスを評価していましたから、京王杯2歳S組が軽視されているのは歓迎です。
勝ち切るまでのインパクトはないですけど、馬券圏内の3着以内なら十分にあるんじゃないかと……。2着、3着の紐にはぜひ入れておきたい馬ですね。1週間も経てば、先週のことなんてすぐ忘れちゃいますから(笑)」(競馬記者)
ちなみに14日現在、トウシンマカオは『netkeiba.com』の単勝予想オッズで8番人気の低評価。人気的には先週のラブリイユアアイズとほぼ同じくノーマークに近い。3着馬が3連単11万馬券の立役者となったなら、これに3/4馬身先着した2着馬が、再び高配当の使者となるかもしれない。
騎乗を予定しているのは秋華賞(G1)をアカイトリノムスメで制した戸崎騎手。今年G1・2勝目の懸かるこの舞台で、アッと驚く会心の騎乗を見せてくれることに期待したい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。