JRA 「超良血」エピファネイアの弟がまさかの惨敗!? 兄譲りの「潜在能力」秘めるも生かせない陣営に寄せられる疑問の声とは
10日、中山競馬場で行われた迎春S(3勝クラス)は、C.ルメール騎手の4番人気スマイルが優勝。好位追走から直線でステッキが入れられると、力強い伸び脚を披露し、2着に2馬身差をつける完勝で、待望のオープン入りを決めた。
その一方で、1番人気の期待に応えられず11着に惨敗したのがルペルカーリア(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)だ。
母は日米のオークス(G1)を制覇したシーザリオで、兄にエピファネイア・リオンディーズ・サートゥルナーリアと3頭のG1ホースを持つ日本屈指の良血馬。約3ヶ月半ぶりの一戦となった今回は、主戦の福永祐一騎手が骨折のため横山武史騎手に乗り替わったものの、単勝オッズ2.4倍の高い支持を集めていた。
芝2200mのレース。15頭立ての9番枠からスタートしたルペルカーリアは、発馬と同時に内によれてスマイルと激突したが、すぐに立て直して先頭集団へ。やや口を割って行きたがる素振りを見せるも、何とか2番手で宥める。前半1000m通過は63秒3と、先行する同馬にはおあつらえ向きの流れかに見えた。
だが、4コーナーに入り突然手応えが怪しくなると、直線入り口で外から勝ち馬に並ばれ、ほとんど抵抗できずに後退。横山武騎手が叱咤激励するも、伸びる気配は見られず、ラスト100mで後続に飲み込まれ、まさかの2桁着順に沈んだ。
「うーん、どうしてしまったのでしょうか。ハナに行ったキングオブドラゴンが2着に残っているだけに、決して失速するような流れでもなかったと思うのですが……。
今回と同じ条件で行われた前走のセントライト記念(G2)でも、4番人気で7着と期待を裏切っています。もしかすると中山芝2200mがあまり得意ではないのかもしれません。あるいはこれまで連対したレースが全て左回りのため、右回りコースがやや不向きであるということも考えられます。
ひょっとすると距離が長かったということも考えられるかもしれませんね。 2走前の京都新聞杯(G2)では2着に入っていますが、父は昨年のスプリンターズS(G1)を勝ったピクシーナイトを輩出しているモーリスです」(競馬誌ライター)
実際にレース後、SNSやネットの掲示板には、「なぜ敗れた前走と同じ条件を使ったのか」や、「どう見ても距離が長い」「遠征競馬は合わない」など、陣営のレース選択を疑問視するコメントが多く付く事態に。また、「8日に中京で行われた寿S(3勝クラス)の方がよかったのではないか」という意見も上がっていた。
今回の敗戦を受けて、今後は距離短縮も検討されるかもしれない。兄たちも能力は高かったが、同時に気難しい面も持ち合わせていた。
ルペルカーリアも馬っぷりは抜群であり、潜在能力は間違いないと思われるため、距離短縮で一変する可能性はある。現役屈指の良血を誇る同馬の巻き返しに期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。