JRA南井克巳「最後のクラシック期待馬」と武豊が新タッグ! 大暴走でコンビ解消となった「あの素質馬」との遺恨試合勃発?
19日、阪神競馬場では芝1800mのつばき賞(1勝クラス)が行われる。
2018年はユーキャンスマイルで優勝、その翌年はワールドプレミアで連覇。このレース過去4年で2勝と相性の良い武豊騎手は今年、メイショウラナキラ(牡3歳、栗東・南井克巳厩舎)との新コンビで挑む。
同馬は、17年の忘れな草賞(当時OP)を勝ってオークス(G1)にも出走したハローユニコーンの半弟。昨年11月の阪神新馬戦(芝2000m)では、4コーナーでインを巧みに進出すると、最後の直線だけで後続に4馬身差をつける圧勝を収めた。
前走はオープンの若駒S(L)に挑戦。直線入り口で早めに先頭に並びかけたが、最後は伸びを欠いて3着に敗れている。ただ、道中で外々を走らされたことを考えると、勝ったリューベックから0秒4差は及第点だったと見てもよさそうだ。
管理する南井師も『サンケイスポーツ』の取材に対し、「センスが高く、いいレースをしてくれている。次は勝ってくれると思っているよ」と、同馬を高く評価するコメントを残している。
そんな南井師だが、早いもので来年2月に定年を迎えるため、今年が調教師生活のラストイヤーとなる。ぜひ師の最後のクラシック出走に向けて、ここは1着で賞金を加算してほしいところである。
だが、今年のつばき賞には、なかなかの好メンバーが揃った。
相手筆頭は、近親にダービー馬シャフリヤールを持つ良血のアルナシームだろう。
同馬はデビュー戦となった昨年7月の函館芝1800mを快勝。2戦目は東京スポーツ杯2歳S(G2)に出走したが、道中でコントロールが利かずに大暴走して6着に敗れている。だが、続く朝日杯FS(G1)では終いを伸ばして4着と健闘した。
この朝日杯FSで5着だったジオグリフが、先週の共同通信杯(G3)で2着に入っているのだから、同馬に先着しているアルナシームは1勝クラスでは力が抜けている可能性が高い。
なお、デビューから2戦でアルナシームの手綱を執っていた武豊騎手は、東スポ杯で折り合いを欠いて敗れると共にコンビ解消となっている。その武騎手がメイショウラナキラでアルナシームと対決する今回は、ある意味では遺恨試合のようなものにもなるのかもしれない。
「つばき賞は他にも、先月の京成杯(G3)で5着だったテンダンスや、ディープインパクト産駒のダノンブリザードなどが出走を予定しています。7頭立ての少頭数とはいえ、なかなか粒ぞろいのメンバーが揃ったといえそうですね」(競馬誌ライター)
騎手時代にはナリタブライアンと共に牡馬クラシック三冠を制覇したファイター・南井克巳だが、調教師に転身後はまだクラシックのタイトルに手が届いていない。果たして最後の年に夢を掴むことはできるだろうか。メイショウラナキラの好走に期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。