JRA【金鯱賞(G2)展望】「超新星」ジャックドールVS「女王」レイパパレ&アカイイト!豪華メンバー集結もギベオンが昨年の「再現」狙う?
13日、中京競馬場では大阪杯(G1)の前哨戦・金鯱賞(G2)が行われる。昨年は三冠牝馬のデアリングタクトが出走し、まさかの2着という波乱があった。今年は一転、抜けた存在はいないが、ハイレベルな好メンバーがそろった。混戦を断つのは果たしてどの馬か。
G1勝ち馬を差し置いて、重賞初出走のジャックドール(牡4歳、栗東・藤岡健一厩舎)が主役を務める。
デビューから芝2000mだけを使われ8戦5勝。昨春のプリンシパルS(L)で5着に敗れた時点では単なる1勝クラスの馬だった。
ところが夏の休養期間中に急成長を遂げたのか、秋初戦となった9月の中京で1勝クラスを勝利すると2勝クラス、3勝クラス、そして前走の白富士S(L)まで怒濤の4連勝。特に近3走は後続に並ばれることなく逃走Vを飾っている。
初めての重賞挑戦はG1馬を含めて重賞勝ち馬が多数。相手は一気に強化されるが、昨年の皐月賞(G1)4着馬アドマイヤハダルを寄せ付けなかった前走が良化途上だったということから、5連勝での大阪杯出走も夢ではないだろう。
鞍上は全5勝を挙げている藤岡佑介騎手。以前から父の管理馬でG1制覇することが大目標と公言してきたが、ここで勝利を挙げれば、そこに大きく近づくことになる。
4連勝中の上がり馬を迎え撃つのはG1勝利の経験がある牝馬2頭だ。
1頭目は、昨年の大阪杯をデビューから無傷の6連勝で制したレイパパレ(牝5歳、栗東・高野友和厩舎)。コントレイル、グランアレグリアなど強豪馬を相手に、影をも踏ませぬ鮮やかな逃亡劇を演じた。
ただし、その後は4戦して3、4、6、6着と成績は下降線をたどっている。前走・香港C(G1)はC.スミヨン騎手を背に巻き返しを期待されたが、スタートで後手を踏むと、道中は馬群の中を追走。「コーナーで不利があった」というスミヨン騎手の言葉もあったように、ややスムーズさを欠いての敗戦だった。
今回の鞍上はオールカマー(G2)以来のコンビとなる川田将雅騎手が務める。このまま尻すぼみで終わってしまうのか、それとも反撃の狼煙を上げる一戦となるのか。大阪杯連覇へ向けて、鞍上の手綱さばきにも注目が集まる。
昨秋のエリザベス女王杯(G1)でレイパパレを撃破したアカイイト(牝5歳、栗東・中竹和也厩舎)も、これが今年の始動戦だ。
昨年6月に3勝クラスを突破し、府中牝馬S(G2)で7着に敗れていたことから、エリザベス女王杯では10番人気という伏兵の評価に甘んじた。ところがレースでは早めに仕掛けて押し切る強い内容で2馬身差の勝利。牝馬にとってタフな消耗戦になったことも同馬を後押しした。
その後は有馬記念(G1)で一線級に挑んだが、さすがに相手が強かった。距離もやや長く、エフフォーリアから1秒1差の7着という結果に終わった。
今回は好成績を残している2000mに距離を戻しての一戦。先行馬もそろっており、平均以上のペースになる可能性は高い。そうなると、昨秋の再現があっても驚けないだろう。
昨秋の天皇賞・秋(G1)とジャパンC(G1)で連続4着に好走したサンレイポケット(牡7歳、栗東・高橋義忠厩舎)。前走・京都記念(G2)は休み明けと久々の右回りが不安視され、6番人気に留まったが、終わってみれば3着に好走。前残りの展開で地力の高さを示す形となった。今回は得意の左回りで、差し・追い込み勢が台頭する展開になれば、確実に上位争いに加わってくるだろう。
昨年、単勝227.3倍のシンガリ人気で逃走劇を演じ、大波乱を呼んだギベオン(牡7歳、栗東・藤原英昭厩舎)は連覇を狙う。その後はマイル戦に加え、ダートも使われたが、結果は出ていない。今年も人気落ちは必至。1年ぶりの中京で再び波乱を起こせるか。
昨年の当レースで3着に入ったポタジェ(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)もチャンスをうかがう。昨秋には毎日王冠(G2)3着、天皇賞・秋でも6着と健闘するも、2番人気に推された前走AJCC(G2)は勝負どころで反応が悪くなり、5着に終わった。2200mの距離も少し長かったかもしれない。適距離に戻って真価が問われる。
この他には、エリザベス女王杯2着以来となるステラリア(牝4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)、2走前に今回と同じ中京2000mの中日新聞杯(G3)を逃げ切ったショウナンバルディ(牡6歳、栗東・松下武士厩舎)、昨年の中山牝馬S(G3)を制したランブリングアレー(牝6歳、栗東・友道康夫厩舎)らも射程圏内にいる。
例年以上に好メンバーがそろいそうな今年の金鯱賞。発走は13日15時25分を予定している。