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JRA C.ルメール「2000mがいい」「東京では勝てる」も国枝栄調教師と不協和音……レコード勝ち大本命馬の不可解参戦

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C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

 13日、中山競馬場で行われる3歳牝馬限定戦のアネモネS(L)。関東圏では唯一の桜花賞トライアルに、特別登録の段階で桜の舞台を目指す17頭がエントリーしている。

 断然人気が予想されるのは、『netkeiba.com』の単勝予想オッズで1番人気に支持されているウィズグレイス(牝3、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 先月末にサウジアラビアに遠征していた主戦のC.ルメール騎手が自身のTwitterにて、PCR検査で新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを公表したため、今回は横山武史騎手とのコンビで出走を予定している。

 「勝った馬が強過ぎた」C.ルメール、武豊も完敗認めた衝撃!

 前走は1月東京のセントポーリア賞(1勝クラス・芝1800m)に参戦し、単勝オッズ1.4倍の圧倒的1番人気となったが、今年のダービー馬候補ともいわれているドゥラドーレスの前に3馬身差の完敗。新馬戦以来となる中山への出走となる。

 敗れたルメール騎手をして「勝ち馬が強かった」と言わしめたドゥラドーレスは、管理する宮田敬介調教師も「ダービーに向かいたいと思わせるほどの器」と評したスケールの持ち主だけに相手が悪かった。

 それだけに、同世代の牝馬が相手の今回は、陣営にとっても絶対に負けられないレースといえるだろう。

大本命が確実視されるウィズグレイス

 ただ、少々気になるのはウィズグレイスが東京で本領を発揮していることだ。アネモネSの舞台となる中山は、1番人気に推された昨年10月のデビュー戦で5着に敗れたコースでもある。

 レース後にルメール騎手は「跳びが大きいので反応するのに時間がかかってしまいました。次の東京では勝てると思います」というコメントを残していた。

 そしてこの言葉通り、東京で使われた2戦目の未勝利戦では、2着馬に6馬身差をつけて逃げ切り。このときの勝ちタイム1分58秒5は東京芝2000mにおける2歳レコードでもある。

 東京での2戦をルメール騎手は「マイペース」と評しており、2着に敗れたセントポーリア賞でも「距離も2000mの方がいい」と振り返っていた。

東京巧者をあえて中山に参戦させた理由

 にもかかわらず、“東京巧者”をデビュー負けした小回りの中山に改めて参戦させるのは、どういった理由だろうか。

「国枝先生としては、まだキャリアの浅い内から方向性を決めたくなかったのかもしれませんね。逃げに慣れてしまうと一本調子の馬になる可能性も出てきますし、まだ試行錯誤をしたいということでしょう。

先々を考えた場合、控える競馬で結果を残す意味は重要です。それだけ大きな期待があるということですかね。スピードがあることはもうわかっていますから」(競馬記者)

 また、先入観のあるルメール騎手ではなく、初騎乗の横山武騎手というのも、そういった意味では都合がいい。

『日刊スポーツ』が報じた記事によると、国枝師は「今回はどうしてもハナではなく、相手に合わせた競馬になる」といったコメントを出しており、ストライドの大きい馬に対し、「自分のリズム」でレースをと主張していた。

 ルメール騎手の意見を考えると両者の不協和音にも聞こえるウィズグレイスは、芝1800m戦の前走で残り1ハロンまで先頭を走っており、レースラップのラスト12秒2を引いた1分33秒5は重賞級の好タイムとなる。

 中山でも逃げれば圧勝再現の可能性も高いだろうが、控える競馬でも師の目論見通りの結果を残すことが出来るだろうか。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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