武豊「勝ち方を知る男」がアディラートをUAEダービーからケンタッキーダービーへ導く!? 怪物エピカリスを逆転できる「理由」
今回のUAEダービーで、アディラートはエピカリスと再戦を迎える。エピカリスに人気を譲るだろうが、レースではどうだろうか。
武騎手は昨年、同レースをラニで勝利し、ケンタッキーダービーへの切符を掴んでいる。出遅れ気味になったラニを最後方に待機させ、残り1000mを切ったあたりでロングスパートを開始。前を行くユウチェンジに追いすがり、激しい叩き合いの末最後の最後で差し切って、2着のポーラリバーも抑えて勝利。ラニは後にケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントSと米クラシック三冠を皆勤することになるが、それを実現したのもこのレースの勝利があってこそ。
昨年このレースを制したという経験、実績は何よりのアドバンテージに違いない。これまでも無類の勝負強さを見せつけてきた武騎手なら、エピカリスとの逆転も十分にあり得る。
何より、日本とは別物となるドバイのダートで、適性面での逆転もあり得るだろう。エピカリスは父ゴールドアリュールで典型的な国内ダートの強豪の系譜に入っているが、アディラートは昨年産駒がデビューしたばかりのルーラーシップ産駒。海外の地で「本当の適性」が明らかになり、ヒヤシンスSと真逆の結果になるかもしれない……。
いずれにせよ、アディラートがエピカリスを逆転できる可能性はまだまだ残されている。無論、ライバルは海外の大物もいるだけに油断はできないが、できることならこの2頭が壮絶なマッチレースを展開し、今後の「ライバル伝説」を彩る1ページにしてもらいたいものだ。
(文=利坊)