JRA 横山武史「泥沼4連敗」の裏でキャリアハイの絶好調!タイトルホルダーのコンビに「立場逆転」大ブレイクの予感
高松宮記念から皐月賞まで、4週連続で行われたG1レース。思わぬ伏兵馬の勝利など様々な話題が溢れたが、やはり最大の注目は横山武史騎手の不振であろう。
4戦いずれもキャロットファームの勝負服を身に纏いG1に臨んだ横山武騎手。高松宮記念、大阪杯、桜花賞ではそれぞれ1番人気に支持され、皐月賞では2歳王者キラーアビリティに騎乗。いずれのレースも勝利を期待される有力馬に跨ったが、勝利はおろか掲示板内にすら1度も食い込むことができず。一か月前には「4週連続の勝利もあり得る」と期待されていたが、真逆の結果となってしまった。
横山武騎手は昨年重賞9勝を挙げ大ブレイク。その活躍が評価され、勝ち負けを狙える馬への騎乗も急激に増加。今年は昨年以上に騎乗数と馬質に恵まれているはずなのだが、重賞は未だ1勝のみと調子が上がらない。
重賞騎乗のデータを比べても、昨年は平均人気6.8、勝率15%、単勝回収率100%であったのに対して、今年は平均人気3.9ながら勝率4.5%、単勝回収率10%と格段に数字が悪化。G1での不振に限らず、重賞全体で成績を見ても「大スランプ」に陥っている。
タイトルホルダーのコンビに「立場逆転」大ブレイクの予感
そんな横山武騎手の不振の一方で、今年に入り好調なのが兄の横山和生騎手だ。先週は横山武騎手が皐月賞で13着に敗れた裏で、阪神メインのアンタレスS(G3)では横山和騎手騎乗のオメガパフュームが勝利を収めた。
横山和騎手はこれで今年重賞3勝目。昨年までは通算で重賞3勝、重賞を複数回勝利した年は1度も無く、今年の成績はキャリアハイ。重賞成績に限らず、平場を含めた成績でみても、現在リーディング9位につける好調ぶりである。
まだ1年の1/3にも満たない現時点で、すでに昨年までのキャリアと同数の重賞を勝利した横山和騎手。このペースで勝利を積み重ねていけば、年間での重賞勝利は9勝も夢ではない。この数字は昨年、弟・横山武騎手がマークした重賞勝利数と同数である。
横山和生騎手は来週の天皇賞・春(G1)でタイトルホルダーに騎乗予定。今年の天皇賞・春は登録メンバーを見る限り、タイトルホルダーとディープボンドの「一騎打ち」の構図。横山和騎手にとっては、念願のG1タイトル獲得へ大チャンスである。
昨年は弟の横山武騎手が皐月賞でG1初勝利を挙げたことをきっかけに大きく飛躍した。天皇賞・春でG1制覇を遂げれば、今年は兄の横山和騎手が「大ブレイク」を果たすことになるかもしれない。
重賞戦線の結果に明暗が分かれた横山兄弟。昨年はまさに「武史の年」であったが、今後の活躍次第で今年は「和生の年」となる可能性も。不振に苦しむ横山武騎手の復調を願うとともに、好調を維持する横山和騎手の飛躍にも期待したい。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。