元JRA藤田伸二氏「制裁がなかったらおかしい」名指し批判!? ソダシ吉田隼人は大絶賛も…“槍玉”に挙げられた意外な騎手

 16日夜、元JRA騎手の藤田伸二氏が自身のYouTubeチャンネル「藤田伸二チャンネル」で生配信を敢行。視聴者の声も拾いながら前日に行われたヴィクトリアマイル(G1)を元騎手の視点で振り返った。

 開口一番「ソダシ強かったねー」と切り出した藤田氏。実はレース3日前にソダシの鞍上を務めた吉田隼人騎手と電話で話す機会があったという。「馬を気分良く走らせることができれば、頑張れると思うんですけどね」という吉田隼騎手の言葉を「ちょっと信用しきれなかった……」と、藤田氏が悔いる場面もあった。

 そのうえで、「ホントに天晴」「完璧に乗ったんじゃないかな」と、春の女王に輝いたアイドルホースと後輩騎手に対し、素直に賛辞を送った。

 一方で、1番人気に支持されるも、見せ場なく12着に敗れたレイパパレについては、「(スタートで)躓いたのが痛かった。その時点で終わっちゃったな」と自身の見解を披露。鞍上の川田将雅騎手が落馬を回避したことは褒めつつも、3コーナーで内に切れ込んでいく際に武豊騎手のディヴィーナの進路に影響を与えたことには苦言も呈していた。この辺りの見解についてはぜひ本動画をご覧いただきたい。

元JRA藤田伸二氏「制裁がなかったらおかしい」

 この日の生配信を迎えるにあたって、「みっちりと(何度も)レースを見直してきた」という藤田氏。道中の各騎手の駆け引きや心理戦などにも触れ、しっかりと“予習復習”していることがうかがえた。そしてこの日の生配信で藤田氏が最も熱くなったのが直線を向いてすぐに発生した“出来事”についてである。

横山武史騎手

「4コーナーで一番悪いヤツ誰かわかりますか?」と視聴者に問いかけた藤田氏。「一番悪いヤツは武史なんですよ」と、終始2番手で競馬を進めたレシステンシアに騎乗していた横山武史騎手の名前を挙げた。

「2番手にいるにもかかわらず、直線を向いたときにじんわりと外に出てきた」と、横山武騎手とレシステンシアの動きを見逃さなかった藤田氏。レシステンシアが1頭分くらい外に斜行した影響で右斜め後方にいたレイパパレを弾く結果になったという。

 さらに悪い連鎖は続く。レイパパレが弾かれたことで松岡正海騎手騎乗のクリノプレミアムが弾かれ、次にC.ルメール騎手騎乗のファインルージュにまで波及。ルメール騎手がレース後「前の馬が外に出た時にタッチするような感じで躓いてしまいました」と悔やんだ根本的な原因をつくったのは横山武騎手だったという持論を藤田氏は展開したのだ。

 玉突き事故のように“連鎖反応”のきっかけをつくったという横山武騎手に対し「馬場のいいところに出したいのは分かるんだけど」と一定の理解を示しつつも、「甘すぎる」「あれは頂けないな」と不用意な進路取りには喝を入れた。

「藤田さんは現役時代、フェアプレーを身上としていましたからね。後続の少なくとも3頭に影響を与える動き(斜行)を見せた横山武騎手に苦言を呈したかったのでしょう。動画内では『制裁を食らってなかったらおかしい(レベル)』とまで言いきっていました。

ただ、私も直線入り口のパトロールビデオを何回も確認しましたが、さすがに制裁云々という斜行には見えませんでした。実際に制裁も科されていませんからね。ただ、あれだけの実績を残した藤田さんが何度も映像を見たうえで言うのであれば、元騎手にしか分からない何かがあったのでしょう」(競馬誌ライター)

 その後も該当シーンについて藤田氏は加勢。「(レース内の)一番の加害者は武史だと思う」とまで言い切っていたが、その後は「反省して気を付けて乗ってほしい」と、23歳のホープに激励の言葉も忘れなかった。

 この日はいつも以上に厳しい指摘もあった藤田氏だが、動画後半には1年ぶりにターフへ戻ってきたデアリングタクトへのエールや「一番のファインプレー」と評したベテラン騎手の騎乗などにも触れている。まだ視聴していないという方は藤田氏の辛口と甘口が入り混じった解説を聞いてみてはいかがだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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