セレクションセール「一番の買い」は○○産駒!?
26日と27日の計2日間に渡り、新ひだか町静内・北海道市場で「セレクションセール2022」が行われている。
2週前に行われたセレクトセールほどの規模感はないものの、過去にはホッコータルマエやビッグアーサーなどのG1馬を輩出。なかでも、セレクションセール出身馬で近年活躍が目立っているのがモーリス産駒だ。
2019年のセールで落札されたジャックドールが金鯱賞(G2)、ノースブリッジがエプソムC(G3)、シゲルピンクルビーがフィリーズレビュー(G2)を勝利するなど初年度産駒から重賞馬を複数輩出。また、2020年のセールで落札されたハセドンも青竜S(OP)を勝ってユニコーンS(G3)で2番人気に支持されるなど、今後が楽しみな逸材が毎年のように現れている。
今回の「セレクションセール2022」でも2日間で5頭のモーリス産駒が上場を予定している。番号順に紹介していきたい。
・上場番号52番 パールズシャインの2021(牡1歳)
祖母スペリオルパールは、1990年代のクラシックを沸かせたビワハヤヒデや3冠馬ナリタブライアンを兄に持つ良血。また、伯父には重賞3勝、ジャパンC(G1)2着のラストインパクトがいる。
父モーリス×母父ディープインパクトの血統は、ファルコンS(G3)を制したルークズネストと活躍馬も出ており本馬にも期待がかかる。2番仔で兄弟の傾向はまだ何とも言い難いが、距離の融通はある程度ききそうだ。
・上場番号81番 シーイズチャンプの2021(牡1歳)
祖母シーイズトウショウは現役時代に桜花賞(G1)で13番人気と低評価ながら2着に激走。その後も芝1200mの重賞を5勝した生粋のスプリンターだった。
初仔のため兄弟の傾向はわからないが、母はデビューから短距離を中心に使われていただけに、マイル以下で活躍が期待できそう。
・上場番号111番 ゴールドチェイスの2021(牡1歳)
母はデビューからダート戦線を歩んだ馬。オープンクラスまで勝ち上がった伯父のスズカセクレターボをはじめ、近親にはダート活躍馬が多い。
父モーリス×母父アドマイヤムーンという血統は上述したノースブリッジと同じではあるものの、兄弟は芝ダート兼用タイプの馬もいるため、蓋を開けてみないとどちらの適性が高いかはわからない。ただ、ダートでも走れるパワーを兼ね備えている血統背景ではある。
・上場番号235番 シーズアウーマンの2021(牡1歳)
祖母フレンチリヴィエラの産駒は成功例が多く、伯父に京王杯スプリングC(G2)を勝ったスズカコーズウェイ、叔父には先週の中京記念(G3)に出走した重賞3勝のカデナや昨年の東京スポーツ杯2歳S(G2)でイクイノックスの3着に好走したテンダンスなどがいる。
ひとつ上の姉グラシアーノは先月の東京芝1600mでデビューし7着に敗れているとはいえ、エリート家系の血を引き継いでいる本馬も軽視はできない。
・上場番号255番 ナリタブルースターの2021(牡1歳)
伯父にデイリー杯2歳S(G2)を勝ち朝日杯FS(G1)で3着したオースミダイドウがいる。それでも近親にはダート活躍馬が多い。
兄弟で一番の稼ぎ頭である兄アディラートは、ルーラーシップ産駒ということもあってデビュー時は芝を使っていたが、4戦目でダートに転向してから一気に飛躍。海外のダート重賞でも好走するほど高いダート適性をみせたように、将来的にはダートを見据えているかもしれない。
以上、今回は「セレクションセール2022」に上場予定のモーリス産駒5頭を紹介した。どれも血統的に魅力がある馬ばかりで、来年のデビューが今から待ち遠しい。
初年度からピクシーナイトがスプリンターズS(G1)を制するなど、注目度も高いモーリス産駒。実際、2週前の「セレクトセール2022」で最高額4億5000万円(税抜)にて落札されたモシーンの2021もモーリス産駒であった。
今回紹介した5頭の中に、来年以降の重賞戦線を沸かせてくれる馬が現れることを期待したい。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?