【関屋記念(G3)展望】ルメールが復帰!エアグルーヴ一族とコンビ

イルーシヴパンサー 撮影:Ruriko.I

 14日、真夏の新潟競馬場ではサマーマイルシリーズ第3弾の関屋記念(G3)が行われる。安田記念(G1)組を中心に好メンバーがそろいそうだ。

 中でも注目は安田記念8着から巻き返しを期すイルーシヴパンサー(牡4歳、美浦・久保田貴士厩舎)だろう。

 昨年6月から11月にかけて自己条件を3連勝すると、2月の東京新聞杯(G3)を快勝し、連勝を4に伸ばしたイルーシヴパンサー。連勝の勢いを買われて、安田記念では堂々の1番人気に支持された。

 スタートを決めると、好位を取りに行くこともできたはずだが、田辺裕信騎手は今まで通り控える競馬を選択。道中は最後方を進んで直線に懸けた。

 前に16頭を見ながら4コーナーを迎えると、外に持ち出して、一完歩ずつ差を詰める。ところが、前半3ハロン34秒7というスローペースに前の馬も止まらない。

 結局、イルーシヴパンサーはメンバー最速タイの上がり32秒6をマークするも、ゴール前は脚を余しての8着。結果的に後ろすぎる位置取りが敗因となった。

 安田記念以来、2か月ぶりの実戦を迎えるイルーシヴパンサーに今回は大きな変化が訪れる。コンビ通算5戦4勝の田辺騎手が降板。代わりに初騎乗の岩田望来騎手へと乗り替わりとなったのだ。

 騎手生活4年目を迎えた岩田望騎手。今年も序盤から勝ち鞍を順調に伸ばし、100勝も狙えるペースで全国リーディング4位(7月末時点)。なかなか勝てなかった重賞レースも2月の京都牝馬S(G3)を制覇すると、5月の京都新聞杯(G2)で2勝目をマーク。「重賞では勝負弱い」というレッテルを剥がそうとしている。

 秋の大舞台へ向けて賞金加算は必至のイルーシヴパンサー。岩田望騎手は直線の長い新潟外回りでどんな競馬を見せてくれるのだろうか。

ダノンザキッド 撮影:Ruriko.I

 安田記念でイルーシヴパンサーに先着したダノンザキッド(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)は、2歳暮れのホープフルS(G1)以来の勝利を狙う。

 デビュー3連勝で2歳王者に輝いたときはクラシック候補と目されたダノンザキッド。3歳春は不本意な成績が続きダービー直前には軽度の骨折で戦線離脱も味わった。

 3歳秋にマイル路線で戦列復帰を果たすと、マイルCS(G1)ではグランアレグリアとシュネルマイスターと差のない3着に好走。今年は中山記念(G2)7着、安田記念6着と2戦続けて掲示板を外しているが、前走は着順以上の好内容だった。

 鞍上の川田将雅騎手がスタートから促して、積極的に位置を取りに行くと道中2番手を追走。直線でも最後まで粘りに粘って、あわやの場面をつくったが、最後は中団後方にいた馬に差し切られた。

 キャリア2戦目の東京スポーツ杯2歳S(G3)から手綱を取る川田騎手もそろそろ勝利が欲しいところだろう。ホープフルS以来の重賞Vはなるか。

スカイグルーヴ

 曽祖母が女傑エアグルーヴの良血馬スカイグルーヴ(牝5歳、美浦・木村哲也厩舎)も侮れない。

 3走前に3勝クラスを突破したスカイグルーヴは、続く京都牝馬Sで1番人気に支持されるも、ロータスランドに半馬身差の2着。さらに前走・京王杯SC(G2)はメイケイエールに半馬身差の2着と惜しい競馬が続く。

 近5走は1200~1400mを使われているように、本来は1400mがベスト。ただし、夏の間は適鞍がないため1年10か月ぶりとマイル戦に登場する。1ハロンのごまかしが利くかどうかは、鞍上のC.ルメール騎手次第か。

 約1か月半にわたって“夏休み”を取っていたルメール騎手は、今年まだJRA重賞を1勝(オークス)したのみ。休み明け初戦から“リフレッシュ効果”を見せたいところだ。

 コントレイル世代の1頭、ウインカーネリアン(牡5歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)は、17番人気の皐月賞(G1)で4着に激走した実績がある。

 昨年春から爪の不安で約1年の休養を強いられ、復帰初戦の六甲S(L)は6着に敗れたが、その後は谷川岳S(L)、米子S(L)とリステッド競走を2連勝中。日本ダービー(G1)以来となる重賞で、存在感を見せたい。

 重賞2勝の実績馬、ザダル(牡6歳、美浦・大竹正博厩舎)は、連覇を狙った前走・エプソムC(G3)が3番人気で6着と案外だった。それでも勝ったノースブリッジとは0秒2差なら、ここでもチャンスはあるか。

 昨年6月から11月にかけて自己条件を3連勝したゴールデンシロップ(牡4歳、美浦・木村哲也厩舎)。その後、休養していたが、ここで9か月ぶりの実戦復帰を果たす。新潟には初参戦となるが、左回りのマイル戦は大崩れしておらず、久々でも勝機はある。

 この他には、昨年の京都金杯(G3)2着以来の復帰戦となるピースワンパラディ(牡6歳、美浦・大竹正博厩舎)、両親がモーリス×ヴィルシーナの良血馬ディヴィーナ(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)辺りを伏兵候補として名前を挙げておきたい。

 安田記念組が順当に上位争いを演じるのか、それともウインカーネリアンやゴールデンシロップといった連勝中の馬が勢いを味方につけるのか。注目の関屋記念は14日、15時45分に発走予定だ。

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