「美人過ぎる騎手」M.ミシェル念願のJRA移籍も「高すぎる壁」。死屍累々の歴史には、あの大物ジョッキーたちも
7日、JRAは2023年度の騎手免許試験の新規申請者数を発表したが、その中にかつて「美人過ぎる女性騎手」として話題を呼んだフランスのM.ミシェル騎手が含まれていることが明らかになった。
ミシェル騎手は2019年の夏にWASJへ参戦するために初来日。その際には「日本に恋をしました、JRAの通年免許を取りたい」とハッキリと自身の目標を口にしていた。
その日本への思いを示すように20年には南関東で短期免許を取得して来日し、競馬界に“ミシェルフィーバー”と言うべき一大ムーヴメントを引き起こした。その後もSNSで度々日本への思いを語るなど、JRAへの移籍を切望している様子が伺えた。
しかし昨今は新型コロナウイルスの影響で来日が難しい状況が続いており、JRA移籍に関する手続きも先延ばしとなっていた。19年に初来日をしてから3年の月日を経た今回は、ミシェル騎手にとって念願のJRA騎手免許試験の挑戦となる。
かねてより日本愛を惜しみなく明かしていたミシェル騎手のJRA移籍となれば、競馬界は大きく盛り上がること間違いなし。多くのファンや関係者が、ミシェル騎手の合格の報を心待ちにしているはずだ。
念願のJRA移籍も「高すぎる壁」
だがその一方で、JRAの通年免許取得は決して簡単な道のりではない。
現在JRAにはC.ルメール騎手、M.デムーロ騎手の2名の外国人が所属し活躍しているが、デムーロ騎手に関しては2014年度に初受験した際には1次試験で不合格となっている。その他にも2016年度、2017年度にはイタリアのD.バルジュー騎手が受験しているが、合格には至らなかった。
そして2019年度には、香港の世界的名手であるJ.モレイラ騎手が騎手免許試験を受験した。
ビッグネームのJRA移籍の可能性が浮上したとあって話題を集めたものの、結果は1次試験で不合格。この際にモレイラ騎手は「ハートブロークン!(心が折れた)。とても残念で、大きなパンチを受けた感じだ」と失意のコメントを残している。
1次試験は英語での受験が可能なのだが、それでもデムーロ騎手やモレイラ騎手といった日本で実績を残した騎手が、この段階で涙を飲んでいる。この両名のケースを考えても、JRAの騎手免許試験がいかに難易度の高いものであるかが伺える
また、仮に1次試験を突破したとしても、2次試験では日本語での口頭試問が行われる。
ただでさえ外国人にとって難易度の高い言語である日本語で、競馬関係法規を含む専門的な内容に対して受け答えをすることは簡単では無い。外国人の受験者にとっては、この2次試験が合格に向けての更なる高いハードルとなるはずだ。
今月の28日に1次試験を控えるミシェル騎手。難関を乗り越えて念願のJRA通年免許を取得し“日本への恋”を成就させることはできるだろうか。無事に合格を果たし、来年の3月に競馬界が「ミシェルフィーバー」に沸き立つことを願いたい。