「二桁騎乗」今村聖奈、藤田菜七子と正反対、古川奈穂「女の武器」捨てた1鞍入魂

今村聖奈騎手 撮影:Ruriko.I

 新人騎手ながら重賞初騎乗初勝利を決めている今村聖奈騎手。Twitterでプライベートの情報をファンに教えてくれるなど、親しみやすいキャラクターでも人気を博している。レースで見せる肝の据わった騎乗やSNSを使いこなしている姿は、いかにも今どきの若者といったところか。

 今週末の今村騎手は、土日の阪神競馬で計17鞍に騎乗を予定。ローカル第3場の福島ではなく、トップジョッキーの集まる激戦区に乗り込んで、どこまで勝ち星を伸ばせるかにも注目が集まるだろう。

 また、その他の女性騎手も多数の乗鞍確保に成功している。

 女性騎手の先駆者でもある藤田菜七子騎手は、福島競馬で11鞍に騎乗を予定。乗鞍が二ケタ台の大台に到達したのは、7月2週目以来となる約4か月ぶりのこと。ラインアップの中には、急接近を噂されていた西山茂行オーナーの所有馬であるニシノギドラーの名前もあった。大物馬主のバックアップ効果で、今後も騎乗数の増加に期待が出来そうだ。

「まなみん」の愛称で知られる永島まなみ騎手は、藤田騎手をさらに上回る14鞍を福島競馬で確保。同じ競馬場で騎乗するため、うち8回で両者の直接対決も実現する。逃げを得意とする2人だが、“みちのく一人旅”を決められるだろうか。

 ゴールデンルーキー今村騎手の登場で、これまで以上に注目が集まるようになった女性騎手だが、彼女らの快進撃を後押ししている理由の一つに「減量制度」の存在がある。

 JRAによると減量制度とは、女性騎手および見習騎手(免許の通算取得期間が5年未満であって、勝利度数が100回以下の騎手)が、特別競走とハンデキャップ競走以外のレースに騎乗する場合、各負担重量を減量するというものだ。これとは別に女性騎手に限り、2キロの減量も適用される。

 今村聖奈▲3キロ、藤田菜七子◇2キロ、永島まなみ★4キロ、古川奈穂★4キロのように、出馬表で各騎手の名前の横についているマークによって負担重量が異なる。ちなみに藤田騎手の◇は、2019年から適用されるようになった、見習い期間が過ぎたデビュー6年目からも2キロ減が永久保証されるというものだ。

 負担重量が軽くなることで逃げ先行馬の粘りが増し、差し追い込み馬の末脚の切れも鋭くなる恩恵がある。各馬の陣営が他馬より軽くなるメリットを見込んで騎乗依頼するケースも珍しくはない。

古川奈穂騎手「女の武器」捨てた1鞍入魂

古川奈穂騎手

 ただ今週末の古川奈騎手については、この“女の武器”を使える福島ではなく、阪神で魅力的な騎乗馬が1頭いるようだ。

 その1頭とは、土曜阪神の9R蛍池特別(2勝クラス・芝2000m)に出走するグランスラムアスク(牝3、栗東・矢作芳人厩舎)だ。同馬とはデビュー3戦目に初コンビ。次走で初勝利を挙げてから8戦連続で手綱を任されている貴重なお手馬である。

 しかもこのレースは、減量特典の反映されない特別戦。古川奈騎手の手腕が試される大一番となるが、9番人気の評価を跳ね返して勝利を挙げた前走の粟島特別(1勝クラス・芝1800m)は、古川奈騎手の好騎乗が光った。

 スタートしてすぐにハナを主張すると、単騎逃げに持ち込むことに成功。新潟外回りの長い直線を最後まで粘り切って、1番人気レッドベルアームの猛追を退けてみせた。ちなみにこのときも特別戦であり、減量特典の適用がない中での快勝でもあった。

 他の女性騎手たちが二桁の乗鞍を予定していたとしても、1鞍入魂で臨む古川奈騎手の気合は相当なものに違いない。

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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