三浦皇成、藤田伸二氏「珍記録」達成間近の確変!? 希望の星ガストリックの次走は
2歳戦屈指の出世レースを制したのは5番人気の伏兵だった。
19日、東京競馬場で行われた東京スポーツ杯2歳S(G2)は、単勝1.8倍のオッズを付けたハーツコンチェルトの1強ムード。しかし、ゴール前の大混戦を断ったのは、ジャスタウェイ産駒のガストリック(牡2歳、美浦・上原博之厩舎)だった。
スタートでやや後手を踏むと、道中は後方インで待機して末脚を温存。ハーツコンチェルトやダノンザタイガーら有力各馬が直線で外に持ち出す中、ガストリックは馬群の間を縫うように脚を伸ばし、先頭でゴールを駆け抜けた。
良馬場で行われたレースの勝ちタイムは1分45秒8。これはレース史上2位となる好タイムで、唯一これを上回っていたのが3年前のコントレイル(1分44秒5)となれば、ガストリックの出世は約束されたも同然か。
大外一気の末脚で12頭をごぼう抜きしたデビュー戦は2年目の永野猛蔵騎手だったが、2戦目の鞍上には15年目の三浦皇成騎手が指名された。
レース後には「まずは、新馬でいい勝ち方をしたあとの大事な重賞レースを任せていただいたオーナーに感謝します」と陣営に感謝の意を示した三浦騎手。「『しっかりものにするぞ』と、この馬と大きいところを目指していくという気持ちで、追い切りに2週間乗せていただきました」と2戦目に向けて、調教の段階から相当気合が入っていたことを明かしている。
1着という最高の形で陣営の期待に応えた三浦騎手は「次の大きな舞台につながる、いいレースができたと思います」と、早くも“次”を見据えた。
希望の星ガストリックの次走は?
そして、上原調教師からも「馬の様子を見て、何もなければ次はホープフルS(G1)に向かいたい」という言葉が出ており、順調なら今年最後の2歳G1が目標となりそうだ。
「もし三浦騎手とのコンビ継続が決まれば、2年前の悪夢を払拭するチャンスですね。あの時(20年ホープフルS)は2番人気のランドオブリバティに騎乗し、G1初制覇の期待を背負っていました。ところが4コーナーを曲がり切れず逸走……そのまま外ラチに突進し、落馬競走中止に終わる苦い思い出になっているレースです」(競馬誌ライター)
2年前のホープフルS以降、G1ではなかなか有力馬に騎乗する機会がなかった三浦騎手だが、今月3日のJBCスプリント(G1)をダンシングプリンスで制して以降は確変モードに入っているようだ。
「交流G1には勝利している三浦騎手ですが、ご存じのようにJRAのG1はいまだ勝利がありません。つい先日も、元騎手の藤田伸二氏が自身のYouTubeで『G1未勝利で1000勝達成なら珍記録』という発言も話題になったばかりです。
先週は武蔵野S(G3)をギルデッドミラーで制し、来年のフェブラリーS(G1)でも有力視されています。20日には有力馬の1頭、ウインカーネリアンでマイルCS(G1)に臨みますし、G1に縁がなかった三浦騎手にもいい風が吹きはじめていますね」(同)
東京スポーツ杯2歳Sという出世レースで、新たな主役候補と出会った三浦騎手。「G1を勝てるような馬にでも乗せてあげればいいのに」と前出のYouTube内で、後輩を慮る発言をしていた藤田氏の願いは果たして通じたのか。
1000勝が先か、それともG1勝利が先か……。まずはマイルCS、そしてガストリックの次走に要注目だ。