戸崎圭太「絶賛」の大物がホープフルSへ名乗り!? 無傷2連勝に「ホッとした」

戸崎圭太騎手 撮影:Ruriko.I

 年末のホープフルS(G1)へ新星の登場か。

 3日、中山競馬場で行われた葉牡丹賞(1勝クラス)は、1番人気のミッキーカプチーノ(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)が勝利。最後の直線で豪快に抜け出すと、2着馬を3馬身半ちぎる圧勝だった。

「あ~、ホッとした」

 この日、123勝目を挙げて堂々のリーディング2位。2014年には三冠牝馬ジェンティルドンナに騎乗して有馬記念(G1)を勝利するなど、これまで数々の名馬に跨ってきた戸崎圭太騎手が開口一番に胸を撫で下ろしたことが、この馬の素質を物語っているのかもしれない。

 18頭立ての中山・芝2000mという設定は、年末のホープフルSの試走としては上々の舞台といえるだろう。スタートでやや立ち遅れたミッキーカプチーノだったが、戸崎騎手は冷静に後方からの競馬を選択。3枠5番を活かしてロスの少ないインに潜り込んだ。

 デビュー戦では返し馬からヤンチャな面を見せていたミッキーカプチーノだが、この日はスタート直後こそやや力んでいたものの道中はしっかりと折り合った。3コーナーから徐々に加速すると、最後の直線入り口では先頭集団を射程圏に。戸崎騎手のアクションが大きくなると、あっさりと抜け出して見せた。

「レース後、戸崎騎手も『精神的に幼い面を残しながらも、期待通りのパフォーマンスを見せてくれました』と振り返っていましたが、強い競馬でしたね。スタートの課題は残っていますが、この日は道中でしっかりと折り合えたことが大きな収穫だと思います」(競馬記者)

 10月のデビュー戦では、2着フリームファクシとクビ差の接戦を演じる辛勝。戸崎騎手も「まだ良くなりそう」と話すに留め、この時点ではまだそこまで目立った存在でもなかった。

 しかし、その後に2着フリームファクシを始め、上位馬が次々と未勝利戦を快勝。3着馬のグリューネグリーンに至っては先月の京都2歳S(G3)を制して、ホープフルSの有力馬にその名が挙がっている。

 戸崎騎手も「(デビュー戦で)負かした相手達が続々と走っているので『レベルが高かったのだな』とさらに感じるところ」とミッキーカプチーノに大きな手応えを感じているようだ。

「勝負所で内から馬群を捌く器用さがあるのは、いかにも中山が向いていそうな走り。同じ中山・芝2000mのホープフルSへ進むかは未定ですが、出てくれば面白い存在になると思います。来年の皐月賞(G1)を含めて楽しみな馬ですね」(同)

『競馬ラボ』のインタビュー連載企画『週刊!戸崎圭太』でも、ミッキーカプチーノが中山・芝2000mに挑むにあたって「その辺りもクリアしていってほしいですね。パワーもある馬ですし」と期待を語っていた戸崎騎手。百戦錬磨のトップジョッキーが思わず安堵するほどの“満点回答”を得た今、大舞台への視界は良好だ。

大村克之

稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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