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【有馬記念(G1)予想】イクイノックス、タイトルホルダーは押さえまで、関係者コメントで浮上した特選穴馬を狙う

【有馬記念(G1)予想】イクイノックス、タイトルホルダーは押さえまで、関係者コメントで浮上した特選穴馬を狙うの画像1

 今回は今年最後の大一番、1年を締めくくるグランプリ有馬記念(G1)を予想していく。

 まずは先週の振り返りから。ターコイズS(G3)だが、○ウインシャーロットは順当に入ったものの、1着は切ったミスニューヨーク、3着は人気薄でノーマークだったフィアスプライド。ミスニューヨークの連覇は厳しいと思っていたのだが、あっさり連覇してしまった。フィアスプライドは前走の内容をもっと吟味すべきだったか。

 朝日杯フューチュリティS(G1)は◎ドルチェモア、△ダノンタッチダウンが入ったものの、3着は切ったレイベリング。確かに新馬戦の内容はいいと思ったが、新馬戦からいきなりG1で好走はどうかと考えたのが間違いだった。レイベリングは明け3歳でどこまでやれるか注目したい。

 予想に戻ろう。

 まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
ジャパンC(G1) 9頭
菊花賞(G1) 6頭
天皇賞・秋(G1) 5頭
凱旋門賞(仏G1) 4頭
エリザベス女王杯(G1)、金鯱賞(G2) 各2頭
コックスプレート(豪G1)、アルゼンチン共和国杯(G2) 各1頭
となっている。

 秋の古馬王道ローテーションを歩んだ馬が最多、次いで菊花賞を経由した3歳馬と天皇賞・秋から直接臨戦する馬が続く。凱旋門賞帰りの馬も4頭絡んでいるが、中間にどこまで回復しているかがキモになると思われるので、情報を集めて取捨を決める必要がありそうだ。

 続いて人気順の成績を見てみたい。
1番人気 6-1-1-2
2番人気 1-1-4-4
3番人気 1-1-2-6
4~6番人気 1-3-2-24
7~9番人気 1-2-1-26
10番人気以下 0-2-0-68
となっている。

 過去の波乱を知っていると有馬記念は荒れる印象もあるだろうが、ここ10年で見ると1番人気がとにかく安定している。2015年と19年の2回は馬券圏外に飛んでいるが、15年は不調に陥っていたまま引退レースとなったゴールドシップ、19年は実力を発揮できないまま敗れたアーモンドアイなので、基本的には信用して良さそうだ。2番人気と3番人気も数字で見るよりはコンスタントに来ている印象なので、実力通りに評価されているようなら押さえるべきだろう。

 これを踏まえて「◎」は5番ジェラルディーナとする。

 前走はエリザベス女王杯でG1初優勝。8枠18番からスタートを決めて中団より後ろで、馬場の外目を追走。重馬場に苦しむ馬が多い中、馬場のいいところを走らせたC.デムーロ騎手の好騎乗も光った。

 個人的には良血馬にありがちな「いいところまで行くけど勝ちきれない」タイプだと思っていたが、今年もいくつものレースで馬券検討から外して痛い目に遭ってきた1頭でもある。ただ、オールカマー(G2)ではしっかり勝ちを収め、前走は内が伸びない馬場状態であったにせよ、それを活かして勝ったあたり、本格化したように思える。

 また、近3年の有馬記念は牝馬が大健闘しているのも追い風となる。この流れは今年も続くと見ているが、牝馬で勢いに乗っているのがこの馬しかいないという事情もある。エリザベス女王杯に続いて有馬記念も好走した馬には、一昨年2着のサラキア(エリザベス女王杯2着)がいたように、ケースとしてはよく似ている。

 枠順も3枠5番の絶好枠を引けた。内でも外でも上手く立ち回れる器用さがあり、オールカマーを快勝した中山の適性も問題なし。血統面でも母ジェンティルドンナが勝利した舞台だ。前が残りにくいレースで好位差しの脚質も魅力で推したい。

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ジャスティンパレス 撮影:Ruriko.I

「○」は菊花賞組で人気がない方の5枠10番ジャスティンパレスを挙げたい。

 前走は菊花賞で3着。勝ち馬のアスクビクターモアが引っ張るハイペースを中団の前目から追走した。4コーナーで4番手まで押し上げ、直線に入って外のボルドグフーシュと並んで上がってきたが、ゴール前で踏ん張りきれずに惜敗した。

 2歳のホープフルS(G1)2着から皐月賞(G1)へ直行するも9着、続く日本ダービー(G1)も9着で春二冠はいいところがなかったが、秋は神戸新聞杯(G2)を3馬身半で楽勝して復活を遂げた勢いそのままに本番でも好走を果たした。

 今回は菊花賞馬アスクビクターモアが回避した代わりに2着馬のボルドグフーシュと3着馬のこの馬が参戦している。2着馬のボルドグフーシュは、来年2月一杯で鞭を置く福永祐一騎手効果も相まって人気を集めているものの、実のところ重賞勝ちがない。その点、ジャスティンパレスは重賞勝ちがあるほか、菊花賞以前にG1の連対経験もある実績馬と考えれば、こちらに分があると考えた。

 陣営は菊花賞後の回復も早く、鞍上のT.マーカンド騎手の感触も良かったとしながら胸を借りる立場と控えめ。G1勝ち馬に比べれば実績で見劣りするのは仕方ないが、中山を経験している強みもあり、押さえる価値はあると見ている。

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イクイノックス 撮影:Ruriko.I

「▲」はタイトルホルダーと人気を分け合っている5枠9番イクイノックスを推す。

 前走は天皇賞・秋を優勝。ハイペースで大逃げしたパンサラッサが、粘り込みを図るところをゴール寸前で何とか捕まえて勝利。春二冠をどちらも2着に惜敗していたが、古馬相手に待望のG1タイトルを手に入れた。

 3歳世代トップクラスと目されている実力は周知の通り。実際、前走で皐月賞馬ジオグリフを破っており、いずれはダービー馬ドウデュースと再戦する機会もあるだろう。好枠を引いたこともあり、人気になるのも当然と言えば当然である。

 陣営もローテーションは予定通りとして、距離にやや引っかかりがあるようなコメントを残しているが、それより気になったのは状態面に関して触れられていないことだ。一時は参戦を噂されたジャパンCを見送ったことと関係があるようなら、激戦だった天皇賞の疲れが残っていないとも言い切れない。

 切れ味のある馬だけに、後ろからの競馬が予想されるが、あまり強気に乗り過ぎても、積極策を採った皐月賞のように勝ち切れないケースも考えられる。状態面への不安と中山のコース適性を割り引いて押さえまでとしたい。

「△」は6枠12番ポタジェ、7枠13番タイトルホルダー、7枠14番ボッケリーニの3頭を選んだ。

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ポタジェ 撮影:Ruriko.I

 ポタジェは前走の天皇賞・秋で13着に大敗。後方からの競馬を選択したが、直線の切れ味勝負に対応できなかった。

 2歳から3歳にかけては切れ味勝負ができる馬だったのだが、4歳以降は速い上がりを使えなくなった印象。8番人気で大金星を挙げた大阪杯(G1)も先行しての抜け出しだった。陣営もこの点は把握しているようで、むしろ器用さを活かせるトリッキーな中山の芝2500mが向いているとして、色気たっぷりのコメントを出している。

 とは言え、芝2500mは初距離であり、陣営のイメージは大阪杯のようなレース運びか。好位で立ち回りたい馬にとっては、枠にいまひとつ恵まれなかったこともあり、あくまで押さえまでの評価としたい。

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タイトルホルダー 撮影:Ruriko.I

 タイトルホルダーの前走は凱旋門賞で、最後の直線に入って「あわや」と思わせた瞬間もあったが、日本馬最先着という看板を持って帰るだけになった。

「▲」にしたイクイノックスが3歳世代のトップクラスなら、こちらは現役最強の呼び声の高い馬。日経賞(G2)から天皇賞・春(G1)、宝塚記念(G1)の完勝劇を見ればそれも頷けるところだ。問題は凱旋門賞からの帰国初戦で状態がどうなのか、という1点に尽きる。

 陣営は凱旋門賞の疲れは取れ、動きを見る限りでは不安点はないとしながらも、見えない疲れが残っている可能性は否定していない。また、この馬のレースぶりから前々での競馬が想定されるため、マークされる厳しい競馬になるともコメントしている。

 昨年は凱旋門賞帰りのディープボンドとクロノジェネシスが2着、3着と国内で実力のあるところを見せて好走したが、それでも3歳馬のエフフォーリアに後れを取った。クロノジェネシスは凱旋門賞でゴール前まで粘る競馬を見せていたが、ディープボンドは後方待機のままレースが終わった。その分の差が着差に出ているとするなら、日本馬最先着を果たしたこの馬も危ういと言えるだろう。

 逃げ・先行脚質についてもこのレースでは微妙なところだが、同じ菊花賞馬のキタサンブラックが逃げ切りを決めているほか、3年連続で馬券になったことを考えれば、さほどの不利ではないかもしれない。ただ、凱旋門賞の影響は少なからずあると見て、こちらも押さえまで。

 ボッケリーニの前走はジャパンCで、好位より前で競馬を進めたが、直線で力尽きて17着に大敗した。

 今年に入って重賞を5走し、前走を除けば1勝2着2回3着1回とパーフェクトな成績を残している。元々割と堅実な走りをする馬ではあったが、重賞を連戦して結果を残せるようになったあたり、馬がしっかりしてきたのだろう。

 陣営はこのレースが叩き3戦目で状態がピークにあるとして、このメンバーでも好勝負が可能と考えていたようだが、外目の7枠14番を引いてトーンダウンしている。とは言え、日経賞ではタイトルホルダーに迫る2着に好走しており、中山の芝2500mは合っているはず。陣営の言葉を信頼して押さえておく。

 あと「×」として2枠4番のアリストテレスにも注目しておく。近走まったくいいところがなく、昨年の京都大賞典(G2)で思い出したかのような2着がある程度。その上、古馬になって重賞成績が振るわないエピファネイア産駒ということで、基本マイナス要素しかないのだが、内目の好枠を引いたこと、重賞通算350勝にリーチの武豊騎手が騎乗するという1点のみで検討してみたい。

 ということで、今回は5番、9番、10番、12番、13番、14番の3連複BOX20点勝負と、押さえに4番の複勝。人気馬を素直に押さえているので、組み合わせ次第ではトリガミの可能性もありそうだが、ポタジェやボッケリーニあたりが激走すると万馬券も期待できそうだ。

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