
JRA史上初フェブラリーS「海外の大物」参戦! 米BCマイル2着馬「ガチ遠征」でカフェファラオ3連覇に黄色信号か

20日、昨年の皐月賞馬ジオグリフがサウジC(G1)の招待を受諾。もう1つの候補として挙がっていたフェブラリーS(G1)には出走しないことが決まった。所属するサンデーサラブレッドクラブの公式HPで発表されている。
芝路線の大物の回避が決定し、2023年のG1開幕を飾るフェブラリーSは3連覇に挑むカフェファラオが中心。昨年2着のテイエムサウスダンや、上がり馬のレモンポップ、ギルデッドミラーなどが逆転候補だが、やや寂しいメンバーになりそうだ。
しかし、どうやら今年のフェブラリーSには海外から大物が参戦することになる。
米BCマイル2着馬「ガチ遠征」
米サラブレッドデイリーニュース(電子版)によると、昨年のブリーダーズCマイル(G1)で2着したシャールズスパイト(牡6歳、加・R.アトフィールド厩舎)が日本のダート王決定戦に参戦する意向があるという。
予備登録の段階から、その動向が注目されていたシャールズスパイトだが、海外の強豪が日本のG1へ予備登録すること自体は珍しくない。その多くは、いわゆる“冷やかし”に終わってしまい、最近は大きく報じられることもなくなった。ましてや、フェブラリーSはジャパンCのような招待レースではなく、G1に昇格した1997年以降、外国馬が出走した例は皆無だ。
ところが、シャールズスパイトの陣営はフェブラリーS参戦に「行きます」と断言しているという。すでに日本でもおなじみの香港のマジックマンことJ.モレイラ騎手を確保しているというのだから、その本気度が伝わってくる。
ちなみに昨年のブリーダーズCマイルを勝ったモダンゲームズは、他にも仏2000ギニー(G1)やウッドバインマイルS(G1)勝ちのある強豪。そんな欧州のトップマイラーを相手に3/4馬身差の2着に食い下がったのがシャールズスパイトである。
IFHA(国際競馬統括機関連盟)から発表された昨年のロンジンワールドベストレースホースランキングにおけるレーティングは116。日本のダート馬に置き換えると、昨年のチャンピオンズC(G1)で2着したクラウンプライド、東京大賞典(G1)を勝ったウシュバテソーロが同じ116だった。
シャールズスパイトのレーティングは芝だが、仮にダートで同じパフォーマンスを発揮できるなら、日本のダート界でも屈指の強豪ということになる。
「ダートでは米国のサルヴェイターマイルS(G3)で3着の実績があるシャールズスパイトですが、最大の課題は『日本のダート』に対応できるかでしょうね。
フェブラリーSこそ外国馬が参戦した例はありませんが、チャンピオンズCでは直近の参戦となった2018年のパヴェルが最下位に沈むなど、まったく通用していない状況です。1600mという距離はシャールズスパイトのベストだと思いますが、海外の馬が時計の掛かる日本特有のダートに適応するのは至難の業だと思います」(競馬記者)
実際にチャンピオンズCは元々ジャパンCダートとして誕生したが、外国馬がほぼ来なくなったため「ジャパンC」という看板を取り下げた“黒歴史”がある。理由は様々だが、独特の「日本のダート」は海外の関係者が参戦を敬遠する大きな理由の1つになっている。
だが、その一方で今回の参戦には前向きな意見もあるようだ。
「ジャパンCダートに外国馬が本格的に来なくなったのは、阪神で開催されるようになってから。日本のダートの中でも速い時計が出やすい東京開催の時には、2003年に米国のフリートストリートダンサーが勝利するなど、海外馬が上位を賑わしたケースもありました。
その点、フェブラリーSは時計の速い東京で行われますし、芝スタートもシャールズスパイトにとってはプラス要素になるはずです。
陣営いわく『日本で売却する予定はない』ので“お披露目”ではないですし、招待レースでもないので遠征費などもすべて自腹。ここを使ってドバイ遠征という計画もあるようですし、実績からも本来の力が発揮できるなら “あっさり”があっても驚けませんよ」(別の記者)
シャールズスパイトほどの実績馬なら、フェブラリーSの翌週に行われ1着賞金1000万ドル(約13億円)を誇るサウジC(G1)から招待を受けていてもおかしくはない。
あえてフェブラリーSを選んだのだとすれば、そうするだけの動機と勝算があるはずだ。
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