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【ニュージーランドT(G2)展望】無敗の2歳王者ドルチェモアが始動!桜花賞除外の実力派牝馬に要注意!?

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 8日、中山競馬場ではNHKマイルC(G1)のステップレース、ニュージーランドトロフィー(G2)が開催される。3着馬までに優先出走権が付与されるが、近年はG3降格も取り沙汰される何かとお騒がせなレース。ただ、今年は昨年のJRA最優秀2歳牡馬が出走を予定しており、例年以上に注目を浴びそうだ。

 3連勝で昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)を制し、2歳王者の称号を手にしたのがドルチェモア(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。皐月賞(G1)には目もくれず、いったんはNHKマイルCへの直行が予定されていた。

 しかし、陣営は前哨戦を挟むことを決断。本番まで約1か月の間隔が取れるニュージーランドTに矛先を向けてきた。

 改めてドルチェモアのデビューからの戦いぶりを振り返っておこう。

 初戦は札幌の芝1500mが舞台。五分のスタートを切ると、スピードの違いでハナを奪った。序盤は他馬に絡まれるシーンもあったが、先頭で4角を迎えると、直線では後続を突き放す強い内容で、2着馬に3馬身差をつけて完勝した。

 やや間隔を空けて臨んだ2戦目のサウジアラビアRC(G3)は、ノッキングポイントからやや離された2番人気に支持された。好スタートを決めると、大逃げを打ったグラニットから大きく離れた2番手を追走。4角でも10馬身近い差があったが、残り200mを切ったところで一気に差を詰めて、最後は1.1/4馬身差をつけてゴールしている。

 そして迎えた3戦目の朝日杯FSは同型がそろい厳しい展開も予想されたが、好発を決めてすんなりと好位3番手のインを確保。最後の直線では馬場の3~4分どころに進路を取ると、残り200mを切ったところで先頭に。外から迫ったダノンタッチダウンとレイベリングを封じ込めた。

 無傷で3連勝を飾ったドルチェモアだが、2戦目まで手綱を取っていたのは横山和生騎手。2戦ともソツのない騎乗を見せていたが、前走で坂井瑠星騎手に乗り替わっていた。ただ、同騎手がNHKマイルCと同週に行われるケンタッキーダービー(米G1)でコンティノアールに騎乗する関係もあって、今回は再び横山和騎手にチャンスが巡ってきた。


 実績的にはドルチェモアが抜けているが、あくまでも本番への叩き台。中山への長距離輸送も控えており、他馬にも付け入る隙は十分あるだろう。

 相手筆頭は、昨年6月の2歳新馬、10月のもみじS(OP)を連勝したウンブライル(牝3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。

 3戦目の阪神ジュベナイルF(G1)は主役の1頭として3番人気に推されたが、スタートが悪く初めて後方からの競馬を強いられた。直線でもまったくいいところなく15着に惨敗。阪神遠征は2度目だったが、この時は馬体重が8kg減るなど、調整過程でスムーズさを欠いたことも響いたか。

 年明け初戦は地元・東京でのクイーンC(G3)で巻き返しを期待され、1番人気に支持された。ところが課題のスタートこそ決めたものの、行き脚が悪く先行できず。中団から直線でじわじわと伸びたが6着が精いっぱいだった。

 デビューから4戦中3戦で手綱を取ってきたC.ルメール騎手は「道中、忙しかったです。ズブいです」と行きっぷりの悪さを嘆き、「ブリンカーを付けた方がいいかも」と馬具装着による矯正を訴えた。鞍上の言葉通り、ブリンカー着用でズブさの解消を図るのかどうか。陣営の判断にも注目したい。

 朝日杯FSでドルチェモアと0秒4差の5着に健闘したのがバグラダス(牡3歳、美浦・嘉藤貴行厩舎)だ。

 前走のファルコンS(G3)ではG1での好走も評価されて3番人気に支持されたが、初の重馬場に脚を取られて大苦戦。末脚が不発に終わり、勝ち馬から0秒9差の7着に敗れている。

 これまでの5戦で3人のジョッキーが手綱を取ってきたが、今回は三浦皇成騎手と初コンビ。休み明けの前走を1度使われた上積みで、ドルチェアモアとの差を詰められるかに注目だ。

 シャンパンカラー(牡3歳、美浦・田中剛厩舎)は、前走・京成杯(G3)で6着に敗れたが、距離もやや長かったか。デビューから2戦2勝のマイルに戻れば、挽回の余地は十分あるだろう。

 昨年の兵庫ジュニアGP(G2)を制したオマツリオトコ(牡3歳、美浦・伊藤圭三厩舎)は、全3勝をダートで挙げているが、唯一走った芝の函館2歳S(G3)が3着。時計が掛かる馬場なら一発があってもおかしくない。

 この他には、同週の桜花賞(G1)に登録しているものの除外が濃厚なモリアーナ(牝3歳、美浦・武藤善則厩舎)、ルミノメテオール(牝3歳、美浦・金成貴史厩舎)、メイクアスナッチ(牝3歳、美浦・武市康男厩舎)あたりは、いずれも重賞で好走した実績もあり、牡馬相手に上位争いも可能だろう。

 2歳王者ドルチェモアが連勝を伸ばしてNHKマイルCへ向かうのか、それともここに全力投球の伏兵がその足をすくうのか。ニュージーランドTは8日、15時45分に発走を予定している。

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