【フローラS（G2）予想】良血馬ソーダズリングは押さえまで。桜花賞で好走した馬と互角にやりあった穴馬で攻める

　今回は来る牝馬クラシックの大一番、オークス（G1）への優先出走権を懸けたトライアル・フローラS（G2）を予想していく。

　まずは先週のアーリントンC（G3）から振り返る。天候は予報通りの降雨で重馬場での開催だったが、好走したのは渋った馬場の経験がなかった3頭。勝ったオオバンブルマイは重賞ウィナーの貫禄を見せての勝利で、先行勢が残る展開を後方から差し切ってみせた。武豊騎手の手綱捌きも見事だった。

　同様に皐月賞（G1）もフタを開けてみれば2番人気のソールオリエンスが完勝し、5番人気タスティエーラが2着に入る結果。同馬は弥生賞ディープインパクト記念（G2）を勝った実績馬とはいえ、共同通信杯（G3）から弥生賞のローテーションだったため、見えない疲れを懸念したものの、予想以上に強かった。ソールオリエンスの最後の直線は圧巻の一言。重馬場であれなら日本ダービー（G1）も期待できるのではないか。予想は両レースとも「重馬場適性」に注目したつもりだったのだが、こうなったらお手上げである。

　予想に戻ろう。

　まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにする。

フラワーC　8頭
君子蘭賞（1勝クラス）　5頭
未勝利戦　4頭
クイーンC　3頭
条件戦（1勝クラス）　2頭
桜花賞、フェアリーS、アネモネS（OP）　各1頭
条件特別（1勝クラス）　5頭

　となっている。

　フラワーC（G3）組が最多だが、多くは出走して賞金加算できず、ここでオークス出走の優先権を取りたい馬。前走重賞組が少ないのは、重賞で賞金加算できた馬は桜花賞（G1）へ向かったからだと思われる。滑り込みで出走した馬が桜花賞で好走できず、というパターンも考えられるのだが、桜花賞組は1頭のみ。その証拠に未勝利や条件戦を経由してきた組が大半を占めている。

　続いて人気順の成績を見てみよう。

1番人気　2-1-0-7
2番人気　1-4-2-3
3番人気　2-0-1-7
4～6番人気　4-2-2-22
7～9番人気　0-0-3-27
10番人気以下　1-3-2-76

　となっている。

　1番人気と3番人気はアテにしづらい。近5年に絞ってもどちらも1勝を挙げたのみ。2番人気は数字ではアテにできるが、それでも近5年では2着2回3着1回ともうひとつ。数字からもわかる通り、中穴クラスの好走が目立ち、近5年でも確実に来ている印象だ。注意したいのは人気薄。10番人気以下でも近5年で2頭突っ込んで来ているだけに、広く検討対象にすべきだろう。

　これを踏まえて「◎」は14番イングランドアイズとする。

　前走はクイーンC（G3）。逃げ馬が緩みのないペースで逃げる中、出遅れもあって中団より後ろに付けて控える競馬。直線に向いて、前で粘っていた馬を捕まえに行くが、届かず4着に終わった。

　11月阪神の芝2000mでデビューし、このときはクイーンCで勝利したハーパーを下して勝利しているが、2戦目の直接対決では返り討ちにあった格好だ。そのハーパーは先日の桜花賞で4着。新馬ではクビ差で勝ち、クイーンCではクビ＋ハナ＋半馬身差とちょっとの差で敗れているなど、ハーパーを物差しに考えると桜花賞で好戦できたレベルにあると考えられる。

　クイーンCは馬場が渋っていたことも影響していた可能性はある。出遅れても4着に食い込んできた実力は本物だろう。また、近5年のうち4回5頭が馬券に絡んだ8枠を引いたのは好材料。ここは本命に推しておきたい。

「○」は穴馬だが7番ゴールデンハインドを挙げる。

　前走はフラワーC。かなりスローで流れる中、3番手あたりにポジションを取る積極策で進む。直線に入って、同じ位置取りの馬と競り合いになったが、後ろから来た2頭に差され、さらに競り負けて4着に終わった。

　フラワーCの予想では「△」評価で、ここまで戦ってきた相手のレベルの高さを評価していたのだが、フラワーCでは稍重までしか経験がなかったところで本格的に馬場が渋って対応しきれなかった可能性がある。

　芝1800m戦ではあるが、4戦目のアイビーS（L）で東京コースの経験もあり、このときは相手も強く4着に敗れているが、牝馬限定戦なら再度見直す手はあるだろう。フラワーCからのローテーションは好走例も多く、相性がいい。人気はないが一発を期待できると考え対抗とした。

「▲」は人気サイドだが6番キミノナハマリアを推す。

　前走は君子蘭賞。緩いペースで逃げる馬の2番手を追走し、4コーナーでポジションを一旦下げるが、直線では内で粘っていた逃げ馬を悠々捉えて交わし、3馬身差をつける完勝だった。

　ここまでのレースでは「○」ゴールデンハインドと同じく強い相手と互角に渡り合ってきた。2走前の1勝クラスでも良血馬アヴニールドブリエに後れを取ったが2着と健闘した。

　ローテーション的にも好走例が多いレースからの転戦で、しかも勝ってここに臨んでいるのでいい流れを持ってきているはず。上記2頭とは重賞の経験がない分だけ割り引いているが、互角の勝負が出来ると思っている。

「△」は穴馬4番クイーンオブソウルと2番ソーダズリングの2頭とする。

　クイーンオブソウルの前走はアネモネS（L）で、出遅れて後方待機策から直線で上がり2位の脚を使ってよく追い込んできたが、前が止まらず3着までとなった。

　この馬に関しては前走の善戦もさることながら、2走前のエルフィンS（L）の内容に注目。アーリントンCの予想でユリーシャに印を打った時にも書いたが、2馬身半差の2着が桜花賞2着馬のコナコースト、3着がフィリーズレビュー（G2）を勝ったシングザットソング、そしてクビ差4着がこの馬だった。

　ユリーシャはアーリントンCで惨敗したが、これほどレベルの高いレースで4着に食い込むのは相応以上に実力がある証拠だろう。ただ、前走で桜花賞をしんがり負けしている馬に負けていることや、ここまでマイルしか経験してこなかったので、2ハロンの距離延長が懸念される。父マインドユアビスケッツも1800mを境に産駒の成績が落ちているので、この分を割り引いての押さえまでとする。

　ソーダズリングの前走は3月阪神の未勝利戦（芝1800m）で、中団から抜け出して2馬身半差をつける完勝を飾った。

　この馬のウリは中距離重賞で活躍したソーグリッタリング、秋華賞（G1）2着のマジックキャッスル、重賞2勝のソーヴァリアントの半妹という血統背景。逆に言うと、それがすべてで、前走も完勝ではあったが持ち時計や上がりが速かったといったところは特になく、ごく平凡に勝ってきた印象。

　距離はデビュー戦も前走も1800m戦を使われてきたので問題はないと思うが、左回りコースを経験していないところが割り引きとなる。ただ、近5年で4勝を挙げている2枠を引いたのは好材料かもしれない。

　ということで、今回は2番、4番、6番、7番、14番の5頭で3連複BOX10点勝負とする。中穴クラスを中心に選ぶ格好となったが、人気が割れそうなのでそれほど配当には期待できないかもしれない。とは言え、選んだ2頭の穴馬が激走すれば思わぬ好配当もあり得る。