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「もちろん謝りにいきました」元天才に厳しさ教えた相談役の壁…誰もが気になる「伝説のエルボー」が飛び出した舞台裏

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三浦皇成騎手

 先週末に行われたNHKマイルC(G1)は、雨中の激戦を追い込んだシャンパンカラーと内田博幸騎手のコンビが優勝。下馬評こそ9番人気と侮られたが、連敗した中山からデビュー2連勝を決めていた東京へのコース替わりも好走を後押ししたのだろう。

 ノンコノユメで制した2018年のフェブラリーS(G1)以来となる5年ぶりのG1勝利を手にした内田騎手の復活も話題となったが、レース前にはデビュー16年目にして、初のG1タイトル奪取に挑む三浦皇成騎手の悲願達成も注目を集めていた。

 同騎手がコンビを組んだのは、昨年の朝日杯フューチュリティS(G1)を無敗の3連勝で制したドルチェモア(牡3、栗東・須貝尚介厩舎)。大本命に推された前哨戦のニュージーランドT(G2)を7着に敗れたこともあり、4番人気の評価に留まったものの、本来の実力を考えれば、1番人気に推されてもおかしくなかった実力の持ち主だ。

 先行脚質の本馬にとって、差し追い込み馬の台頭する展開が厳しかったとはいえ、12着と惨敗してしまったのは、7着に敗れた前走で手綱を取った横山和生騎手が「負けるにしても負け過ぎ」と評したこととも関係がありそうだ。もしかしたらまだ本調子にはなかった可能性も考えられる。

 とはいえ、昨年暮れのホープフルS(G1)を4番人気ガストリックで16着に大敗していた三浦騎手にとっては、有力候補であるドルチェモアの騎乗依頼を受けたNHKマイルCは、是が否でもG1タイトルを手に入れたい舞台だったことも事実。この敗戦でG1は、ついに111連敗となり、ネットの掲示板やSNSなどでは一部のファンから「またダメだったか」「持ってないなあ」「いつになったら勝てるんだろう」といった落胆の声も見られた。

 勿論、三浦騎手も結果的に負け続けているとはいえ、これまでにチャンスがなかった訳ではない。中でも最も勝利に肉薄したといえるのが、2014年の安田記念(G1)だ。

 このレースで三浦騎手は、17頭中で16番人気の大穴グランプリボスに騎乗してハナ差の2着。敗れた相手が、当時のレーティングで世界最強馬の称号を手にしていたジャスタウェイという不運がありながら、あと一歩で王者から大金星を挙げようかという激走を演じたのである。タッグを組んだグランプリボスがG1・2勝馬の割に軽視されていたものの、単勝オッズが万馬券の超人気薄で好走したことは、三浦騎手の好騎乗抜きで語れない。

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柴田善臣騎手

 その一方、この年の安田記念は、三浦騎手が無我夢中で馬を追う動作の中で曲げた肘が、ゴール前の叩き合いを演じたジャスタウェイの柴田善臣騎手と接触したことを受け、まるで馬上で“エルボー”を食らわしているかのように見えるシーンでも話題になった。

 当時、レースを見たファンからも「これはアウト」「故意にしている訳じゃないからセーフ」と賛否両論の意見が沸き起こったが、あれから9年の時を経て、この件について三浦騎手から釈明があったため、この場を借りて紹介しておきたい。

「伝説のエルボー」が飛び出した舞台裏

 ちなみに注目のエピソードが紹介されたのは、『netekiba.com』で先月からスタートした『相談役 柴田善臣』という新規連載の8日に公開されたものだ。

 詳細についてはそちらをご覧いただきたいのだが、三浦騎手の説明によると、どうやら「直線では馬体を併せての追い比べになり、モタれそうになったところを立て直そうとしたら、ちょうどエルボーしているような格好になってしまった」のが事の真相のようだ。レース後に「もちろん謝りにいきました」ということで、柴田善騎手も三浦騎手の謝罪を受け入れてくれたらしい。

 レース中はどの騎手も勝利を目指して必死に騎乗しているため、結果的にラフプレーに見えてしまうこともあるだろう。日本騎手クラブの「相談役」としても有名な“先生”の温厚な人柄が伝わるエピソードでもあり、「ハナ差は騎手の腕の差ですから」と大ベテランに敬意を払った三浦騎手の姿勢もまた立派だ。

 当時の裏事情を教えてくれた三浦騎手だが、デビュー時は武豊騎手に匹敵する天才と騒がれた逸材。気が付けばG1を勝てないまま16年が経過したものの、年齢的には33歳とまだまだ若い。今週末のヴィクトリアマイル(G1)には、サブライムアンセムとのコンビで騎乗を予定している。下馬評こそ高くはないが、16番人気で激走したグランプリボスの再現といきたいところだ。

黒井零

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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