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武豊が立ちはだかる無敗の三冠、今年のジャパンダートダービー(G1)は「史上空前」のハイレベル濃厚…「賞金5割引」の栄誉はラッキーかアンラッキーか

武豊が立ちはだかる無敗の三冠、今年のジャパンダートダービー(G1)は「史上空前」のハイレベル濃厚…「賞金5割引」の栄誉はラッキーかアンラッキーかの画像1
競馬つらつらより

 7日、大井競馬場で行われた南関クラシック第2戦の東京ダービー(G)は、単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されたミックファイア(牡3、大井・渡辺和雄厩舎)が、2着ヒーローコールに6馬身の差をつけて圧勝。デビューからの連勝を5に伸ばし、無敗で南関東二冠を達成した。

「とんでもないスケールの馬だと思う」

 主戦の御神本訓史騎手がそう振り返ったのも無理はない。

 感冒のコロンバージュが除外され、15頭立てで争われたダート2000mの頂上決戦。好スタートを決めたミックファイアは、ハナに立ったボヌールバローズの2番手を楽な手応えで追走する。4コーナー手前で先頭に躍り出ると、後続各馬も懸命に追い上げを図るが脚色の違いは歴然で差は広がる一方。勝利を確認した御神本騎手もゴール前で流すほどの大楽勝だった。

 同騎手は2019年にミューチャリーとのコンビで挑んだが、このときはヒカリオーソに2馬身差で敗れた。悲願ともいえるダービージョッキーのタイトルを獲得し、無敗の三冠が懸かるジャパンダートダービー(G1・以下JDD)を見据える。

「JRAの強い馬もたくさんいますし楽ではないと思いますが、オーナーも望んでいますし、何とか無事に次の舞台へ連れて行ってあげるのが目標です」と意気込みを見せた渡辺和雄調教師も三冠に向けて手応えを掴んだ。ここまでの戦績は、2001年に無敗で南関東三冠を達成し、JDDも勝利したトーシンブリザードとまったく遜色ない。

 ただ指揮官が懸念したように、南関のクラシックである東京ダービーと異なり、交流重賞のJDDには、「JRAの強い馬たち」も立ちはだかる。

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デルマソトガケ 撮影:Ruriko.I

 もし出走してくるようなら主役を演じておかしくないのは、デルマソトガケ(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)だ。

 3連勝で昨年12月の全日本2歳優駿(G1)を制した昨年の最優秀2歳ダート馬は、明け3歳を迎えた今年に海外遠征を敢行。サウジダービー(G3)3着、UAEダービー(G2)1着、ケンタッキーダービー(G1)6着と善戦以上の好戦を演じている。

 そしてもう1頭、デルマソトガケを脅かす存在となりそうなのが、現在3連勝中のミトノオー(牡3歳、美浦・牧光二厩舎)だ。

 前走の兵庫チャンピオンS(G2)を6馬身差で圧勝し、3月の伏竜S(OP)では3着のヒーローコールを5馬身置き去りにしている実力の持ち主だ。そのヒーローコールが羽田盃、東京ダービーでいずれもミックファイアと6馬身差だったことも、本馬のスケールの大きさを物語っている。前走から武豊騎手が手綱を取っており、オーナーサイドはレジェンドの続投を望んでいるという。

 これらに割って入る可能性があるとすれば、川田将雅騎手が英才教育を施しているユティタム(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だろうか。

 昨夏のデビュー戦こそペリエールの2着に敗れたが、同馬はその後に全日本2歳優駿で3着、ヒヤシンスS(L)1着、UAEダービーで4着とトップクラスの能力を証明した。敗れたユティタムはデビュー戦から馬体重を20キロもパワーアップした姿で復帰戦を8馬身差で圧勝すると、圧倒的な強さで3連勝。特に前走の青竜S(OP)は、須貝調教師が「強かった、凄いね」と絶賛すれば、川田騎手も「良い内容で無事に通過してくれました」と、ここではモノが違うと言わんばかりの好内容だった。

「賞金5割引」の栄誉はラッキーかアンラッキーか

 そんな強豪たちが待ち受ける今年のJDDだが、既にJRAから「3歳ダート三冠競走を中心とした2・3歳馬競走の体系整備」の発表があったように、来年からは羽田盃・東京ダービーがJRA及び地方他地区所属馬に開放される。G1に格付けされることに伴い、開始時期も10月に繰り下げられ、レース名称も「ジャパンダートクラシック」に変更、JDDという名称は実質今年がラストイヤーとなることが分かっている。

 その一方、もしミックファイアがこのまま無敗で三冠を達成するようなら、わずか1年の差で賞金的に大幅増となるのはツキがない。来年から羽田盃は3500万円→5000万円、東京ダービーは5000万円→1億円、JDDは6000万円→7000万円に増額を予定しているだけに、二冠を達成した現在でも6500万円の差額が発生する。

 さらに三冠も達成した場合は三冠ボーナス8000万円が交付されるため、総額3億円となる。こちらについては“タラレバ”に過ぎないものの、後1年遅く生まれていたら、これだけの賞金を手にする可能性もあった。とはいえ、JRAの強豪相手に勝てたかどうかは、やってみないと分からない。

 2001年にデビュー8連勝で無敗の三冠を達成したトーシンブリザード以来、22年ぶりの快挙に挑むミックファイア。その強さが本物ならば、日本国内にとどまらず、サウジC(G1)やドバイワールドC(G1)へと羽ばたく姿が見られるかもしれない。

黒井零

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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