【ユニコーンS(G3)展望】武豊、川田将雅が待つジャパンダートダービー(G1)へ、C.ルメールが大器と新コンビ結成!
18日、東京競馬場では3歳馬によるダート重賞のユニコーンS(G3)が行われる。7月12日のジャパンダートダービー(G1、以下JDD)に向けても重要となる一戦を早速展望していこう。
ヘニーヒューズ産駒のペリエール(牡3歳、美浦・黒岩陽一厩舎)は、昨夏の札幌で初戦V。そのとき2着に下したのは、その後に川田将雅騎手とのコンビで3連勝し、JDDでも有力視されているユティタムだった。
ペリエールは、続くオキザリス賞(2歳1勝クラス)も勝利。デビューから2戦連続で3馬身半の差をつける危なげのない競馬を見せ、ダート路線の中心的存在に躍り出た。
その真価が問われたのは、3戦目の全日本2歳優駿(G1)。それまでのレースぶりも評価され堂々の1番人気に支持されたが、4角で早め先頭に立つ積極策が実らず。最後の直線でデルマソトガケとオマツリオトコに交わされ、初黒星を喫した。
手綱を取った福永祐一騎手(現調教師)はレース後、「理想的なポジションでしたし、無理して動いていないので楽勝かなと思いました」とコメントを残したが、結果的には早仕掛けの印象が残るレースとなった。
そして迎えた今年の初戦はヒヤシンスS(L)。ここでも再び1番人気に支持されると、今度は4角までしっかり我慢。東京の長い直線で、鋭く伸びて後続を1馬身半突き放し、3勝目を飾った。
その1か月後に臨んだのは、日本から大挙5頭が押し寄せたUAEダービー(G2)。日本馬の中では最上位の2番人気に支持され、勝利を期待されたが結果は4着。日本馬が上位4着までを独占する中、悔しい結果に終わった。
それでもペリエールが今回の主役を張れるのは、これまで敗れた2戦が地方と海外で、中央は3戦3勝という点が大きい。東京コースでも2戦2勝なら、勝利に最も近い存在とみていいだろう。C.ルメール騎手との新コンビで重賞初勝利を狙う。
ヒヤシンスSでペリエールの4着に敗れたグレートサンドシー(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)は、前走の昇竜S(OP)で巻き返しに成功している。スタートでやや後手を踏みつつも、直線で11頭をごぼう抜きにする圧巻のパフォーマンスを披露。最後は2着馬に3馬身半の差をつけた。
グレートサンドシーが見せたパワフルな末脚の源は、父の血によるところが大きい。父のイントゥミスチーフは、2019年から4年連続で北米リーディングサイヤーに輝き、現地では次々と大物を送り込んでいる。
ただし、日本では目立った活躍馬がまだ出ておらず、JRAのオープン特別を勝ったのもこの馬が初めてだった。JRAでも待望の大物候補が出るかどうか、本馬に懸かる期待は大きい。
これまで3戦2勝の成績を残しているが、唯一敗れたヒヤシンスSはJ.モレイラ騎手が鞍上を務めていた。勝利を収めた2戦はいずれも今回と同じ川田騎手とのコンビ。その手綱さばきにも注目だ。
昨年秋の兵庫ジュニアグランプリ(G2)を制したオマツリオトコ(牡3歳、美浦・伊藤圭三厩舎)は、M.デムーロ騎手と初コンビ。全日本2歳優駿ではデルマソトガケの2着に入り、ペリエールには先着していた。
3歳を迎えて世代ダート路線では上位の存在と目されたが、2月のヒヤシンスSでまさかのブービー13着に大敗。さらに前走のニュージーランドT(G2)で2度目の芝に挑戦したが14着に敗れている。ただし、前者はメンバー中最も重い58kgを背負い、道中は馬群で揉まれる苦しい展開が敗因。前走も芝での一戦ならノーカウントでいいだろう。ダート替わりで改めてその実力を示したい。
ラフエイジアン(牡3歳、美浦・中舘英二厩舎)は、3番人気に推された前走の青竜S(OP)で逃げの手を打ったが、先行馬の厳しいマークもあって7着。5戦目にして初めて連対を外した。今回は大きく人気を落とすようなら、マークも薄くなるはず。アッと驚く粘り込みがあっても不思議ではない。
ワールズコライド(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)は、他の有力馬たちがオープンクラスでしのぎを削っていた4月にようやくデビューを果たした。既走馬相手に初陣Vを飾ると、続く3歳1勝クラスも勝って2戦2勝。前走の走破タイムは同日の古馬1勝クラスよりも速かった。ここであっさり3連勝を飾るようなら、一気にスターダムにのし上がる可能性もあるだろう。
この他には、4月にデビュー3戦目で初勝利を飾り、続く3歳1勝クラスで連勝。2戦合計9馬身差と本格化の兆しを見せているヘンリー(牡3歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)、前走の1勝クラスを圧勝したニシキギミッチー(牡3歳、美浦・鈴木伸尋厩舎)、東京マイルでは2戦2勝のサンライズジーク(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)などにも目を配っておきたい。
24年に予定されている「3歳ダート三冠競走」の新設に伴い、ユニコーンSは東京ダービーの前哨戦へとその役割を変える。改革前最後の一戦を制し、武豊騎手とミトノオーらと世代の頂上決戦に挑むのは、果たしてどの馬になるのか。発走は18日、15時45分を予定している。
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