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昨年の菊花賞ジョッキーが「芸術的逃げ切り」でラスト1冠に急浮上!? 3馬身圧勝劇も思い出される昨年の大物キタサンブラック産駒

昨年の菊花賞ジョッキーが「芸術的逃げ切り」でラスト1冠に急浮上!?  3馬身圧勝劇も思い出される昨年の大物キタサンブラック産駒の画像1
田辺裕信騎手 撮影:Ruriko.I

 16日、福島競馬場で行われた信夫山特別(2勝クラス)は、1番人気のサヴォーナ(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)が勝利。3馬身差の完勝で、秋の菊花賞(G1)へ大きな一歩を刻んだ。

 春は京成杯(G3)で4着、青葉賞(G2)で6着。ソールオリエンスやスキルヴィングといった世代トップクラスの壁に跳ね返され、クラシックに駒を進めることができなかったサヴォーナだが、距離を延ばして“化けた”印象だ。

 11頭立て、芝2600mの長丁場。ゲートに課題があることで出世が遅れたサヴォーナだけに鞍上の田辺裕信騎手も懸念していたようだが、「ゲートを出てくれて、楽に逃げることができました」とキャリア最高のスタートを決められたのは陣営の努力の賜物だろう。

 最初のコーナーを迎えるところで単騎逃げの形に持ち込めたサヴォーナと田辺騎手は、そこから完全にレースを支配。1000m通過63.6秒のスローペースに落とし込むと、最後の直線では後続に影も踏ませぬ鮮やかな逃げ切りだった。

「ペースが遅くなった時に『力まなければ……』とそれだけを心配したんですが、道中は物見をするところがあり、上手く気持ちを抜いて走れました」

 3馬身差の圧勝劇は、ほぼ完璧なエスコートを見せた鞍上の手腕も大きい。それだけにレース後にSNSや掲示板などでも「やっぱり田辺は長距離上手い」「芸術的な逃げ」「頼むから菊花賞でも乗ってほしい」など、田辺騎手の騎乗を絶賛する声が続々……。昨年の菊花賞ジョッキーの手腕に酔いしれたファンは少なくなかったようだ。

 スタミナが問われる2600mで古馬相手に3馬身差の完勝劇は、賞金加算に成功したサヴォーナだけでなく、田辺騎手にとっても菊花賞連覇に向けて視界が大きく広がった。

 そんな田辺騎手だが、今春は皐月賞(G1)でベラジオオペラ、日本ダービー(G1)でパクスオトマニカに騎乗して、それぞれ10着、13着と厳しい戦いを強いられている。それだけにクラシック最後の1冠に向けて、有望なパートナーの出現は待望だったはずだ。

「良い競馬でした」

 そう自画自賛した鞍上は昨年、結果的にはダービー3着馬の強豪アスクビクターモアとのコンビを継続して菊花賞制覇に繋げたが、夏にはその気持ちを揺るがす期待馬との出会いがあった。

 昨年の信夫山特別を勝ったブラックブロッサムだ。

 春に出世レースとして知られる大寒桜賞(1勝クラス)を8馬身差で圧勝し、クラシックの新星として注目を集めたブラックブロッサム。しかし、1番人気に推された京都新聞杯(G2)で5着に敗れ、飛躍の秋を見据えて出走したのが信夫山特別だった。

 ここで初コンビを組んだ田辺騎手は、ブラックブロッサムでも鮮やかな逃げ切り勝利。着差こそ2馬身半だったが、最後は後ろを振り返る余裕もあった。スケールの大きいキタサンブラック産駒の出現に、アスクビクターモアの主戦騎手の心も揺らいだはずだ。

 しかし、そんな騎手として嬉しい悩みはブラックブロッサムの戦線離脱という思わぬ形で霧散した。左前脚浅屈腱炎と診断された本馬は現在も休養中。多くのファンがその復帰を待っている状況だ。

 あのブラックブロッサムの勝利から、ちょうど1年。今年も信夫山特別を逃げ切って“連覇”を果たした田辺騎手の目には、菊花賞連覇への道も見えているはずだ。

GJ 編集部

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