
【中京記念(G3)展望】ダノンスコーピオン×横山和生が新コンビ結成! 海外帰りホウオウアマゾンは“進化”間違いなし!?
23日、中京競馬場ではサマーマイルシリーズ第2戦の中京記念(G3)が行われる。過去2年は小倉の芝1800m、3年前は阪神の芝1600mで行われていたが、4年ぶりに中京の芝1600mに戻っての開催。今年は復活勝利を狙う牡馬2頭が中心となりそうだ。
1頭目は昨年のNHKマイルC(G1)覇者のダノンスコーピオン(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)。3歳の秋は初戦の富士S(G2)で3着と好走したが、その後がサッパリで、マイルCS(G1)で古馬の壁に屈し11着に敗れると、香港マイル(G1)も6着と消化不良に終わった。
心機一転、4歳を迎えた今年は5月の京王杯スプリングC(G2)から始動。初の1400m戦で変わり身を期待されたが、結果は11着。続く安田記念(G1)も13着に敗れ、昨秋から4戦連続で掲示板外という厳しい競馬になっている。
「いろいろと難しい馬」と厩舎も評しているように、道中で外に張ったり、折り合いを欠いたりするといった課題を残すダノンスコーピオン。前走は末脚こそ不発に終わったが、レース中にそういった課題が露呈しなかったことは明るい兆しともいえるだろう。
鞍上はデビューから川田将雅騎手が主戦を務めてきたが、前走でM.デムーロ騎手が初コンビを組んでいた。しかし、今回は川田騎手、デムーロ騎手ともに他馬への騎乗予定があるため、横山和生騎手と新コンビを結成する。
新たな鞍上を迎えたメンバー唯一のG1ウイナーが久々のG3戦で復活のきっかけを作れるか。

1年2か月ぶりの勝利を狙うダノンスコーピオンに対して、ホウオウアマゾン(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎)は2年3か月も美酒を味わえていない。
2歳時には朝日杯フューチュリティS(G1)で3番人気に推された素質馬(結果は9着)で、3歳春のアーリントンC(G3)で重賞初制覇。NHKマイルCでも上位人気の一角を担ったが、ここでも9着に敗れていた。
その後は勝利こそないが、3歳秋にスワンS(G2)3着、阪神C(G2)2着、昨年はマイラーズC(G2)で2着とG2でたびたび好走していた。今年に入ってからは2月の阪急杯(G3)で3着に食い込むなど、いつ重賞2勝目を挙げてもおかしくない力は持っている。
そしてホウオウアマゾンの復活のきっかけとなり得るのが、阪急杯の後に敢行したオーストラリアへの遠征だ。オールエイジドSという芝1400mのG1に坂井瑠星騎手とともに挑戦。スタートは五分だったが、いつものような行き脚がなく、勝負所で手応えが怪しくなると、後方で直線を向いた。最後は外をジリジリと伸びてはいたが、7着になだれ込むのがやっとだった。
坂井騎手が「脚を取られるような馬場状態で、いつもの走りができなかった。想像以上に厳しいレースだった」と『デイリースポーツ』の取材に答えていたが、豪州の馬場も大きな敗因の一つだったようだ。
それでも海外遠征の経験を糧にする術を知っているのが矢作厩舎。2年以上勝ちあぐねている同馬にとって、初海外が大きな刺激となっている可能性は十分あるだろう。引き続き坂井騎手を背にこのコンビでの初勝利を狙う。
ダノンスコーピオンとホウオウアマゾンという牡馬2頭に対抗するのは、ヴィクトリアマイル(G1)から転戦してくる牝馬3頭だ。
ディヴィーナ(牝5歳、栗東・友道康夫厩舎)は、昨年3月に3勝クラスを卒業。その後はオープンクラスの壁にぶち当たっていたが、ブービー15番人気で迎えた前走で人気を大きく上回る4着に健闘した。
中団後方から見せたラスト3ハロン33秒1の末脚は、優勝したソングラインをも上回るメンバー最速。通算成績が「4-1-0-1」と相性のいい中京コースなら、あっさり実績上位の牡馬2頭を撃破しても不思議はないだろう。
ヴィクトリアマイル10着のルージュスティリア(牝4歳、栗東・藤原英昭厩舎)も巻き返す力を持っている。
3連勝で3勝クラスを突破したのは今年の1月。その後は阪神牝馬S(G2)で1番人気に支持されたが、最後の直線で接触もあって6着に敗れると、前走はスタート直後の不利で10着と重賞ではなかなか実力を発揮しきれていない。それでも今回は手頃なハンデが予想され、大駆けの期待は十分だろう。
ルージュスティリアと同厩のサブライムアンセム(牝4歳、栗東・藤原英昭厩舎)も前走が不完全燃焼の競馬。スタートで立ち遅れたため後方からの競馬を強いられると、テン乗りの三浦皇成騎手が腹をくくって直線勝負に懸けたが、直線伸びを欠いて13着に敗れた。
課題のゲートをクリアして、五分のスタートさえ決めることができれば、先行して2着に入った2走前の阪神牝馬Sくらいは走れるはず。引き続き三浦騎手とのコンビで、昨年のフィリーズレビュー(G2)以来の勝利を目指す。
この他には、サマーマイルシリーズ初戦の米子S(L)を10番人気で制したメイショウシンタケ(牡5歳、栗東・千田輝彦厩舎)、かつてクラシック候補と呼ばれた“6億円ホース”のアドマイヤビルゴ(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)、4走前のニューイヤーS(L)でオープン特別初勝利を飾ったウイングレイテスト(牡6歳、美浦・畠山吉宏厩舎)、キャリア26戦目で初の重賞挑戦となるアナゴサン(牡5歳、栗東・牧田和弥厩舎)など多士済々のメンバーが集結した。
今年の中京記念はダノンスコーピオンが復活Vを飾るのか、それとも海外帰りのホウオウアマゾンが進化した姿を見せるのか、はたまたヴィクトリアマイル組が「夏は牝馬」の格言を体現するのか。発走は23日の15時35分を予定している。
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