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JRA新人女性騎手「122戦目」初の1番人気で“ホロ苦”大敗…スマホ不適切使用で30日間騎乗停止も逆境をバネに成長。今村聖奈に続く、競馬界のニューヒロイン登場か

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河原田菜々騎手 撮影:Ruriko.I

 16日、中京競馬場で行われた7R・3歳以上1勝クラスは、9番人気のスタボーンイメルが勝利。昨年は年間8勝に終わってしまった藤懸貴志騎手だが、今年はこれで10勝目と好調だ。

「続けて乗せてもらって」との言葉通り、スタボーンイメルと藤懸騎手は今年3月からコンビを結成。今回が三度目の正直となったが「今日はこれまでやってきた成果が出たように思う」と、人馬共に会心の走りだったようだ。

 その一方でルーキーの河原田菜々騎手にとっては、ホロ苦い1戦となってしまった。

 スタボーンイメル×藤懸騎手と同じように、今年3月からコンビを結成したピエナパイロと河原田騎手。こちらは“五度目の正直”で前走の未勝利戦を快勝し、今回はその勢いを買われて1番人気に推されていた。

 これがデビュー10戦目のピエナパイロにとって初の1番人気だったが、実はデビュー122戦目の河原田騎手にとっても、これがキャリア初の1番人気。人馬共に慣れないプレッシャーもあったか、好位を進んだものの早々に後退しての10着。レース後には鞍上も「砂を被る位置で、若干馬が怯んでしまった」と唇を噛む他なかった。

 しかし、ルーキーの河原田騎手にとって1番人気に騎乗したという事実は、貴重な経験になったに違いない。

 レースでの経験も然ることながら、関係者からの信頼がなければ1番人気になるような馬に乗ることはできないし、ファンからの信頼がなければ1番人気に推されることもない。そういった意味でも騎手にとって、1番人気に騎乗するということは目先の勝ち負け以上に大きな意味がある。

 そんな貴重な経験を呼び込んだのも、河原田騎手の最近の好調ぶりが大きな理由の1つになっているはずだ。

「まずはスマートフォンの件で、ファンや関係者の皆さんにご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

 河原田騎手といえば今年5月、スマートフォンの不適切使用が発覚し、30日間の長期騎乗停止となったジョッキーの1人だ。競馬界を震撼させた2023年の上半期を代表する出来事の当事者として、多くのファンや関係者の信頼を裏切ってしまった。

 騎乗停止となった6人の若手騎手は6月に復帰したものの、ここ約1か月間はいずれも苦戦。昨年55勝を挙げて新人王に輝いた今村騎手が2勝、昨年39勝を挙げた角田大河騎手に至ってはわずか1勝と、これまでの勢いを失ってしまっている印象だ。

 そんな中、デビューからわずか3か月程度で30日間の騎乗停止処分を受けた河原田騎手。ちなみに騎乗停止前は、79戦してわずか2勝と決して順風満帆な騎手デビューというわけではなかった。

 しかし、不本意な形で注目を集めることとなり多くの騎手が失速する中、河原田騎手は逆に成績が向上している。復帰後約1か月間で3勝は、騎乗停止期間中に大井へ武者修行に行っていた古川奈穂騎手と並ぶ“最多勝”だ。

「師匠の渡辺薫彦調教師のサポートもあって、復帰後も騎乗馬の質・量とも大きな変化は見られません。この辺りは師匠の人望の厚さに感謝しなければなりませんね。

デビューしてようやく慣れてきた頃に30日間の騎乗停止になってしまった河原田騎手ですが、復帰後はすぐにレース感覚を取り戻して、逆に段々落ち着いたレースができるようになってきた印象。デビュー当初は苦戦するかもと心配していましたが、ここ最近の調子なら秋には新人王争いに加わっているかもしれません。

騎乗停止になった際はさすがに落ち込んでいる様子でしたが、本来は非常に明るい人物。本人のメンタル面の強さも復帰後の好調につながっていると思います」(競馬記者)

「渡辺先生の人柄を尊敬しています。周りの方から愛されていて、信頼されている。私もそうなりたい」

 先日の『デイリースポーツ』のインタビューで師匠への感謝を語っていた河原田騎手。異例のデビューイヤーとなってしまったが、いずれは藤田菜七子騎手、今村騎手に続く、競馬界のニューヒロインになってもおかしくない逸材だ。

GJ 編集部

GJ 編集部

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