GJ > 競馬ニュース > 若き有望スプリンターの非業の死から3年半。兄の夢を叶えるべく、弟アスクワンタイムがみせた圧勝劇!
NEW

若き有望スプリンターの非業の死から3年半。兄の夢を叶えるべく、弟アスクワンタイムがみせた圧勝劇!

【この記事のキーワード】, ,
若き有望スプリンターの非業の死から3年半。兄の夢を叶えるべく、弟アスクワンタイムがみせた圧勝劇!の画像1
岩田望来騎手 撮影:Ruriko.I

 サラブレッドに限らず生き物である以上、速く走るためにはどうしても心臓への負担は避けられない。

 中でも、心臓に負担がかかり過ぎることで発症する心不全は一般的に「生命を縮める病気」と定義され、それが急に発症すれば急性心不全となる。今年の日本ダービー(G1)で有力馬の1頭だったスキルヴィングがレース中に急性心不全を起こし、この世を去ったことは少なからず競馬ファンに大きな衝撃を与えた。

 だが、このような事例は過去にもある。

 大きな舞台の出来事として思い出されるのは2019年11月24日、京都競馬場にて行われた京阪杯(G3)でレース中に転倒し、急性心不全のため死んだファンタジスト(当時牡3)だ。未だ偲ぶファンが少なくないことからもファンタジストが如何に愛された馬だったのかが分かるだろう。

 

兄の夢を継ぐ弟が圧勝

 ファンタジストは父ロードカナロア、母ディープインアスク、母の父ディープインパクトという血統。馬主は廣崎利洋氏で栗東の梅田智之調教師が管理した。

 新馬戦から小倉2歳S(G3)、京王杯2歳S(G2)と無傷の3連勝を飾り、世代トップクラスの実力を証明したファンタジスト。2歳王者を決める朝日杯フューチュリティS(G1)で4着に敗れ、その後は短距離戦線で活躍するもG1には一歩届かぬところで前述の京阪杯にて非業の死を遂げた。

 あの悲劇から約3年半。そんなファンタジストと血統・馬主・厩舎とも全てが同じ全弟のアスクワンタイム(牡2、栗東・梅田智之厩舎)が今月1日、岩田望来騎手を背に2歳新馬戦(芝1200m)でデビューを迎えた。

 馬名は冠名「アスク」に“もう一度”との意味が込められている。志半ばで散った兄への思いを残した馬主の気持ちがひしひしと伝わってくる馬名だ。

 

夢はG1制覇

「思い入れは強いね。ファンタジストのデビュー当時と感じも似ている。動きが柔らかくて、思っている以上によく伸びる」

 そう思いを語った梅田調教師。奇しくも兄ファンタジストと同じ中京の芝1200mでデビュー戦を迎えたアスクワンタイム。結果は2着惜敗だったが、15日の2歳未勝利戦(芝1200m)では断トツの1番人気に応え、最後は手綱を抑える余裕さえみせた。

 2着のモンシュマンに5馬身差を付けての圧勝劇、上がり3ハロンも2戦続けてメンバー最速を記録。引き続き手綱を取った岩田望騎手も「きょうだいのように重賞を目指していければと思います」とファンタジストへの思いを馳せるコメントを残している。

 G1制覇という夢半ばで世を去った兄。勝ちっぷりからも今後大きな期待がかけられそうなアスクワンタイムだが「まずは無事に」というのが、関係者やファンの思いに違いない。

GJ 編集部

GJ 編集部

真剣勝負の裏にある真実に切り込むニュースサイト「GJ」の編集部です。これまで作成した記事は10000本以上。競馬歴10年超えの情報通が業界の「しがらみ」を取り払った「本音」や「真実」にも臆することなく、他のサイトとは一線を画したニュース、サービス提供を行っています。

真剣勝負の真実に切り込むニュースサイト「GJ」

Twitter:@GJ_koushiki

Instagram:@goraku.horse.racing0505

若き有望スプリンターの非業の死から3年半。兄の夢を叶えるべく、弟アスクワンタイムがみせた圧勝劇!のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  2. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  3. 【ヴィクトリアマイル(G1)予想】ナミュールから6点で万馬券狙い! マスクトディーヴァは持ちタイムに不安ありで消し! 高速決着に対応できる穴馬で勝負
  4. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  5. JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
  6. 「空前の競馬ブーム」巻き起こしたオグリキャップ…ぬいぐるみはバカ売れ、見学ツアーも大人気、「ビジネスチャンス」生かしたオーナーの慧眼【競馬クロニクル 第64回】
  7. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  8. 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
  9. JRA出鼻をくじかれた「16億円」の大勝負……。「神の馬」の二の舞だけは避けたい日高に朗報!? 海外からのニュースに関係者も安堵か
  10. 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客