【鳴尾記念(G3)展望】スマートレイアーVSバンドワゴン! 宝塚記念へ向けた重要な前哨戦
春の連続開催G1もいよいよ今週で終わりを迎えようとしている中、3日(土)の阪神競馬場では夏のグランプリである宝塚記念(G1)の前哨戦・鳴尾記念(G3)が行われる。例年であれば4歳馬の出走もあるこのレースだが、今年の出走予定馬は5歳以上。経験豊富な玄人たちの熱い戦いとなりそうだ。そんな鳴尾記念(G3)への出走を予定している有力馬を紹介する。
ここでは牝馬ながら注目を集めそうなのがスマートレイアー(牝7、栗東・大久保厩舎)だ。前走のヴィクトリアマイル(G1)では活躍著しい4歳勢に屈したものの、0.2秒差の4着とベテランの域に達したが大舞台でも衰えは見えない。2走前の京都記念(G2)では斤量差があったとはいえ、昨年のダービー馬であるマカヒキに競り勝って2着の成績を残している。その他にも2400mの香港ヴァーズ(G1)や2200mのエリザベス女王杯(G1)など2000mを超えるレースでも好走実績があり、距離に対する不安は無さそうだ。レース間隔が短い点は若干気になるところではあるが、中距離重賞でも結果を残して改めてその能力の高さを証明して欲しい。
バンドワゴン(牡6、栗東・石坂厩舎)は念願の重賞初制覇を目指す。3年前、きさらぎ賞(G3)をアタマ差で負ける悔しい思いをしていたところ、追い打ちをかけるかのように故障による長期離脱など辛い経験をした。デビュー直後は前から行く競馬を得意としていたが、前走の但馬S(1600万下)では中団よりも後方からレースを進めると直線ではインコースから末脚を伸ばして勝利。以前のこの馬にはそれほど瞬発力が高い印象は無かったがこのレースで上りタイムの最速を記録したように成長による進化と言えそうだ。故障によりクラシックの出走を逃してしまったが、順調に進んでいれば主役となりえた逸材だけに、ここでの活躍にも期待が持てそうだ。
前走の新潟大賞典(G3)が久しぶりの重賞好走となったマイネルフロスト(牡6、美浦・高木厩舎)も期待が持てる。レースは2番手を追走していくこの馬にとっての理想となる完璧な展開。新潟競馬場特有の長い直線に入った後もバテることなく粘って、勝ち馬との激しい叩き合いを見せてくれた。結果は惜しくもハナ差で負けたが、ブリンカー着用による効果があったようである。過去に日本ダービー(G1)で3着の実績を持つ実力馬だけに、レースに集中して臨めれば今回も勝ち負けになりえる存在だ。自身2度目の重賞勝利を3年前に初めて重賞勝ちした縁起のいい阪神競馬場で飾ることが出来るか注目したい。