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【小倉記念(G3)展望】武豊とのコンビで知られる“歴史的小倉巧者”以来の連覇へ、マリアエレーナ「5馬身差圧勝」昨年の再現あるか

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【小倉記念(G3)展望】武豊とのコンビで知られる歴史的小倉巧者以来の連覇へ、マリアエレーナ「5馬身差圧勝」昨年の再現あるかの画像1
マリアエレーナ 撮影:Ruriko.I

 いよいよ夏の小倉開催、通称“夏コク”がスタートする。開幕週の日曜13日、メインに組まれているのは、荒れるハンデ戦として知られる小倉記念(G3)だ。

 今年は、小倉で2戦2勝のマリアエレーナ(牝5歳、栗東・吉田直弘厩舎)が中心。2004~05年のメイショウカイドウ以来、レース史上2頭目の連覇なるかに注目が集まる。

 18年前に連覇を達成したメイショウカイドウといえば、武豊騎手とのコンビで小倉三冠を達成。小倉でしか走らないとまで言われたコース巧者だった。一方のマリアエレーナは他のコースでも十分すぎる実績を残しているが、1年前に見せた圧勝劇はまさに小倉巧者のそれだった。

 重賞初制覇を遂げた昨年のレースでは、内枠から好スタートを切って、好位のインを追走。4角手前で早めにスパートを仕掛けると、後続との差は開く一方で、最後はレース史上最大となる5馬身差をつけた。

 その後は天皇賞・秋(G1)に直行したが、道中で不利があって不完全燃焼の7着。今年に入ってからは、愛知杯(G3)で3着とまずまずの出だしを見せたが、その後は2番人気の金鯱賞(G2)で8着、大阪杯(G1)では強豪牡馬相手に5着と健闘したが、前走の鳴尾記念(G3)でまたも2番人気ながら5着と期待を裏切っている。

 430kgそこそこの小さな馬体の持ち主は、夏コクで昨年の勝利を再現できるのか。鞍上は引き続き松山弘平騎手が務める。


 川田将雅騎手と2度目のコンビを組むエヒト(牡6歳、栗東・森秀行厩舎)も、約1年ぶりの重賞制覇を狙う。

 同馬が重賞初勝利を飾ったのは昨年7月。54kgとハンデに恵まれた七夕賞(G3)で6番人気ながら、2着に2馬身半の差をつける圧巻の走りでファンを驚かせた。

 次走の新潟記念(G3)は14着に惨敗し、七夕賞の勝利をフロック視する声も一部で上がったが、続くチャレンジC(G3)で3着。今年1月のアメリカジョッキークラブC(G2)でも2着に連続好走し、改めて実力の高さを証明している。

 2月には、サウジアラビアで開催された過酷な長距離戦レッドシーターフハンデ(G3)に出走。テン乗りの川田騎手を背に上位進出を狙ったが、後方から伸びを欠き、7着に敗れている。

 帰国初戦の七夕賞では、レース史上2頭目の連覇を狙ったものの結果は8着。スタートで他馬と接触する不利に加えて、スローな流れの中、最初のコーナーで後方3番手という位置取りも響いた。

 ただし、鞍上を務めた田中勝春騎手は「これを使ったら、次は良くなるんじゃないかな」とコメントしており、4か月半ぶりの実戦を1度使われた変わり身は相当見込めるはずだ。

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カテドラル 撮影:Ruriko.I

 7歳の古豪カテドラル(牡7歳、栗東・池添学厩舎)も鋭い末脚は健在。3戦ぶりに芝に戻っての好走を誓う。

 3歳時からマイル重賞路線でたびたび高配当をもたらしてきたカテドラル。次がキャリア30戦目となるが、これまで1番人気に支持されたのはたった1回で2~3番人気も4回しかない。

 好走の多くは人気薄の時で、4番人気以下のレースに限れば、「3-6-1-14」という好成績。単勝回収率は125%、複勝回収率は198%と、いずれも100%を大きく上回る。4番人気以下の時は買いの一手といえるだろう。

 近2走はダート重賞で9着と12着に敗れているため、今回は人気の盲点になりそう。3走前に今回と同じ団野大成騎手とのコンビで9番人気ながら2着した小倉大賞典(G3)の再現を演じられるか。

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ククナ 撮影:Ruriko.I

 ククナ(牝5歳、美浦・栗田徹厩舎)は、2歳時にアルテミスS(G3)で2着、3歳春にはクイーンC(G3)で3着と、牝馬クラシック戦線で好走。桜花賞(G1)とオークス(G1)にも出走し、それぞれ6着と7着に入った。

 その後は3歳秋に自己条件の2勝クラスから出直しを図り、一発回答で3勝クラスに昇級。ところが、同クラスで足踏みが続き、オープン入りを果たしたのは1年4か月後の今年2月だった。

 待望のオープン入りを決めた3走前の早春S(3勝クラス)で見せたのは、それまでの控える競馬ではなく、初角3番手という積極策。それが見事に嵌り、久々の勝利を飾ると、前走の七夕賞で久々の重賞に挑戦。9番人気ながら2着に健闘した。

 その前走も初角を3番手で入ると、勝負所でやや位置を下げたが、4角で外に出され、最後までしぶとく伸びて粘り込んでいる。

 先行策が板についてきた今なら、ローカルの平坦小回りコースはまさに最適。初の小倉で念願の重賞初勝利を目指す。


 21年の青葉賞(G2)を制したワンダフルタウン(牡5歳、栗東・高橋義忠厩舎)は、日本ダービー(G1)で10着に敗れて以降は苦戦していたが、前走・鳴尾記念で2年1か月ぶりに掲示板を確保する4着に食い込んだ。2~3歳春に見せた勢いを完全に取り戻せるかが注目される。

 この他には、3走前の福島民報杯(L)を勝利し、小倉で通算2戦2連対のカレンルシェルブル(牡5歳、栗東・安田翔伍厩舎)、2年前の当レースを53kgの軽ハンデを生かして勝利したモズナガレボシ(牡6歳、栗東・荒川義之厩舎)、今村聖奈騎手と初コンビを予定するエニシノウタ(牝5歳、栗東・笹田和秀厩舎)などがスタンバイ。ハンデ次第では上位進出の可能性も十分考えられる。

 昨年の8週から4週に半減した夏の小倉開催。その開幕週を盛り上げるのは、果たしてどの馬か。小倉記念は13日の15時35分に発走を予定している。

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