
「種付け料200万円」からサンデーサイレンス、ディープインパクト級の大活躍!評価は同世代ライバルの3分の1…注目新種牡馬の勢いが止まらない
新種牡馬スワーヴリチャードの勢いが止まらない。
20日、新潟競馬場で行われた2歳新馬戦(芝1800m)を制したアドマイヤベル(牝2、美浦・加藤征弘厩舎)は、単勝1番人気に応える堂々のデビュー勝ち。
スタートでダッシュがつかず、16頭立ての後方2番手から追走することになったが、最後の直線で豪脚を炸裂させて差し切った。
2着馬とハナ差の辛勝ながら、まともに走ったのはほぼ直線だけ。逃げ馬が1000m通過62秒2のスローに落とした前残りの展開を、大外からメンバー最速となる33秒8で撫で切ったのだから価値がある。血統的にも2017年のヴィクトリアマイル(G1)を制したアドマイヤリードの半妹という良血馬。否が応でもクラシックでの活躍を期待したくなる逸材だ。
ここで注目したいのは、これで早くも9頭目の産駒が勝ち上がった新種牡馬スワーヴリチャードの好調さだ。アドマイヤベルの勝利で大台に乗る10勝に到達、今年の2歳種牡馬リーディングでトップに立っている。
同馬は現役時代19戦6勝の成績。2018年には大阪杯(G1)、2019年のジャパンC(G1)を制し、種牡馬入りを果たした。
ハーツクライの後継としても注目された種付け料は意外にも200万円で、同世代のライバルだったレイデオロの600万円に比べれば3分の1。いずれもG1を2勝馬という意味では生産者の評価は低かったといえるだろう。
しかし、いざ蓋を開けてみれば現在2勝のレイデオロに対し、5倍の10勝を挙げたスワーヴリチャードのお買い得感が際立つ。ディープインパクトやロードカナロア、ドゥラメンテといった種牡馬でさえ、産駒の10勝達成は9月上旬から中旬にかけてだったことを考えると約1ヵ月も早かった。
いい意味で下馬評を覆したスワーヴリチャードだが、これがどれくらい凄いことなのかといえば、なんと29年前に日本競馬の血統史を塗り替えたサンデーサイレンスの同時期と遜色がないのだ。
勝ち数は11勝とサンデーサイレンスが1つ上回っているが、それでもあの大種牡馬に肉薄する結果である。ちなみにサンデー産駒の11勝には、フジキセキやプライムステージといった往年の名馬たちが名を連ねている。
なお、1994年の朝日杯3歳S(G1・朝日杯FSの前身)でフジキセキが産駒として初のG1勝利を飾ると翌年にはジェニュインが皐月賞(G1)、タヤスツヨシが日本ダービー(G1)を制し、ダンスパートナーがオークス(G1)と春の牡牝クラシックをほぼ総ナメ。日本競馬界にサンデー旋風を巻き起こした。
ルメールも絶賛、来年のクラシックで旋風を起こす?
そんな歴史的大種牡馬を思い出させるスワーヴリチャード産駒だが、先述のアドマイヤベル以上に注目したいのは、芝1800mのデビュー戦を1分49秒8(良)の好時計で勝ち上がったレガレイラだ。兄は「ダービー候補」とまでいわれたドゥラドーレスで、そのレース内容から早くも「オークス候補」との声も上がっている。
レースに騎乗したC.ルメール騎手も「真面目に走ってくれましたし、最後は良い瞬発力を見せてくれました。能力がありそうです」と評価。メンバー最速の34秒3で抜け出した末脚も見どころ十分だった。
他にも先日のダリア賞(OP)を勝ったコラソンビート、キャプテンシーやG1馬ソングラインの半弟ソニックラインといった良血馬相手に4馬身差の圧勝をみせたパワーホールなど、将来楽しみな産駒が揃っている。
この勢いなら、かつてのサンデーサイレンスのように初年度からG1ホースを輩出しても不思議ではない。200万円から成り上がったお買い得種牡馬の快進撃に注目したい。
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