「少しずつ恩返しができれば」藤田菜七子が抜群の存在感を発揮、定年近づく師匠にメモリアルVもプレゼント…海外遠征前に見せた「熟練」の手綱捌き

秋競馬の3日間、藤田菜七子騎手が強烈な存在感をアピールした。
まずはパワポケビーに騎乗した土曜中山の6R(1勝クラス)。1枠1番から好発を決めて逃げ、直線では一旦、後続を突き放したが、ゴール寸前で差されて2着。結果的に敗れたとはいえ、3着馬には4馬身の差をつけての好走。9番人気の馬だっただけに大健闘だろう。
そして日曜中山1R(2歳未勝利)でも6番人気のムームで見事な逃げ切り勝ちを演じただけでなく、月曜中山でも藤田騎手の勢いは衰えなかった。
7R(1勝クラス)は、12番人気デルマオシダシの2着に敗れたものの、8番人気の伏兵で外から追い込み。ゴール前の混戦の中、今週好調だった戸崎圭太騎手騎乗の1番人気馬にハナ差競り勝つ勝負強さを見せた。
また続くヨリノサファイヤに騎乗した8R(1勝クラス)では、外枠から先行してそのまま押し切りと、変幻自在な騎乗で2着に4馬身差をつける快勝劇を演じた。3日間トータルで2勝2着2回は大活躍だったといえるだろう。
自身の区切りとなるJRA10勝目を挙げたヨリノサファイヤは、師匠の根本康広調教師の管理馬でもあり、師にとっても嬉しいJRA通算200勝目となった。藤田騎手はレース後「まだ足りないと思うので、少しずつ恩返しができれば」と感謝の言葉。定年まで2年半の根本師には、愛弟子からの格別なプレゼントだったはずだ。
43勝を挙げた2019年に比べれば、まだまだ物足りない数字。最近は後輩の女性騎手の話題も増えたが、好騎乗を連発した3日間の騎乗を振り返れば、もっと勝っていても不思議ではない内容だ。
中央場所での競馬で好結果を残した藤田騎手だが、今週24日にはスペインのサルスエラ競馬場で行われる女性騎手招待競走「セカンド・インターナショナル・チャンピオンシップ・フォー・ジョッキーズ」に参加する。同競走には日本やアメリカ、フランスなど10か国から計12名の騎手が招待され、3レースで腕を競い合う。
藤田騎手は『中日スポーツ』の取材に「以前も招待されていますが、けがで参加できなかったので、再び招待をいただいて嬉しいです。いろんなジョッキーと交流ができるのは楽しみですし、いい結果を残せるように頑張りたいです」と意気込みを語っている。
さらに参戦後にフランスに移動、凱旋門賞(仏G1・パリロンシャン競馬場)が行われる10月1日まで滞在することも発表されている。29日にはサンクルー競馬場で「ぐりぐり君」の名で知られる犬塚悠治郎オーナーの所有馬にも騎乗する予定だという。
今回が7回目の海外遠征となる藤田騎手。国内でも後輩女性騎手が続々と誕生しているとはいえ、今も日本人女性騎手の「顔」であることは間違いない。
この3日間で馬券に絡んだレースは2歳未勝利戦(1鞍)と3歳上1勝クラス(3鞍)。菜七子騎手にはもっと上のクラスのレースでも活躍を見たいところ。重賞勝ちはコパノキッキングとのコンビで勝った2019年のカペラS(G3)から遠ざかっている。
帰国後、一回り成長した姿を見せて秋競馬を盛り上げてもらいたい。
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