【天皇賞・秋(G1)予想】勇気のイクイノックス切りで、武豊ドウデュースらに託す! 昨年パンサラッサの再現を狙って「あの馬」から4頭をピックアップ
今回は、この秋の中距離頂上決戦、天皇賞・秋(G1)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていこう。
毎日王冠 8頭
宝塚記念 6頭
安田記念 5頭
日本ダービー、札幌記念 各3頭
天皇賞・春、大阪杯、京都大賞典、オールカマー、セントライト記念 各1頭
となっている。春から直行で休み明け初戦にここを使う馬と1戦叩いてここに挑む馬が拮抗しているが、いずれにせよG3以下の前走がない超ハイレベル。G3からの臨戦馬は検討から外してもいいくらいだ。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 6-2-1-1
2番人気 1-2-2-5
3番人気 1-1-1-7
4~6番人気 2-2-5-21
7~9番人気 0-2-0-28
10番人気以下 0-1-1-65
となっている。1番人気は数字の上では鉄板。馬券圏内から飛んだのは18年のスワーヴリチャード(10着)のみで、その後は4連対中。近5年で2番人気3頭、3番人気2頭と近年は堅めに決着する傾向。上位人気に合わせる中穴の取捨選択がポイントになりそうだ。
これを踏まえて「◎」は10番ジャックドールとする。
前走は札幌記念(G2)。内目の枠からスタートし、この時は前を行かせて4番手で追走。速くはないが緩みのないペースで進み、直線へ。直線入り口で3番手まで上がっていたが、そのあとの伸び脚を欠いて6着に終わった。
前走は半端に控えてしまったのが敗因だろう。やはり大阪杯(G1)を勝った時のように、景気良く逃げを打ってこそこの馬の持ち味が活きるというもの。
ということで、前走は叩きの一戦と割り切って考える。このレースは逃げ・先行勢に分の悪いレースではあるが、それでも昨年逃げて2着のパンサラッサをはじめ、一昨年のグランアレグリアも2番手から3着に入るなど、善戦傾向にはある。
陣営は「追い切りで思った以上に時計が出たが、体調の良さの表れ」として、状態は「今までで一番と言っていい」とデキの良さをアピールしている。
今回ははじめから抜けて強い馬が2頭いるので、大逃げを打つくらいの思い切った騎乗をしてくれることが前提。過去には今回と同じコースを逃げて1分57秒4の好タイムで勝っているなど、時計の裏付けもある。また、逃げて上がり33秒台をマークしたこともあり、とにかく自分のペースで逃げさえすれば勝機はある。敢えての本命指名だ。
「○」は、それなりに人気しそうだが4番ダノンベルーガを挙げる。
こちらも前走は札幌記念。後ろに控えて追走したが、3コーナー過ぎから進出しはじめ、4コーナー3番手で直線に向くが、後ろから来た馬に交わされて4着止まりとなった。
昨年の3着馬。今年はドバイターフ(G1)で2着したあと、間隔を空けて前走に臨んだが掲示板止まりだった。おそらく洋芝が合わなかったのではないかと思われる。陣営からも「特殊な馬場だった」として「疲れ具合を見極めてきた」とコメントが出ている。
キャリア8戦で半分は馬券圏外ながらも、掲示板を確保しているので決して実力のない馬ではない。いい頃に比べると「8分くらいのデキ」と陣営からは弱気なコメントが出ているが、それでもそこそこ走れるだろう。
強敵の2頭を出し抜くイメージはないが、紛れて3着は十分にあり得ると見ている。加えて、過去10年で5勝を挙げている4枠を引いたのも何かの縁。それも含めて対抗とした。
「▲」は穴っぽいところで5番ガイアフォースを推す。
前走はオールカマー(G2)。内目の枠からスタートして前を見る3番手につける積極策で追走。緩めのペースで進んで直線に入ると、逃げたタイトルホルダーが粘るところを押し上げていったが、一伸びを欠いて5着に終わった。
この馬が一躍注目を浴びたのは昨夏の国東特別(1勝クラス)の勝利だろう。小倉の2000mのコースレコードを更新しただけでなく、後続に7馬身差をつける圧勝を飾った。その勢いでセントライト記念(G2)も制したが、その後は勝ち星に見放されている状況である。
ただ、陣営は2000mで東京コースは「安田記念(G1)の内容からも合っている」として「時計勝負になれば面白い」と強気なコメントが出ている。
2000mのコースレコードを樹立するほどの時計の持ち主であり、マイルを走った2戦はいずれも上がり33秒台と上がりタイムも申し分ない。G1での3着内実績がないので、本命・対抗の2頭に比べるとやや格落ちだが、スタミナも要求される東京マイルのG1で4着なら、ここで一発があっても不思議はない。
「△」は迷ったが3番ドウデュースとする。
前走はドバイターフを予定していたが、前日に脚部不安で出走取消。実質的な前走は京都記念(G2)で、後方待機から3コーナーあたりで進出しはじめ、直線に入ると一気に突き抜けて後続を3馬身半離す貫禄の勝利だった。
2歳王者に輝き、3歳クラシックでは皐月賞(G1)こそ3着と取りこぼしたが、日本ダービー(G1)では武豊騎手に6勝目のダービーをプレゼントした。
ここまでは良かったのだが、秋に欧州遠征したことで歯車が狂った感がある。今年初戦こそ貫禄勝ちしているが、ドバイでは渡航して出走するだけ、という状況での出走取消とはツキがない。
直近の京都記念の時計も2200m戦ではあったが好タイムで勝利している。一方、上がりは皐月賞とダービーで33秒台をマークしているので、こちらも申し分ないだろう。
ドバイから帰国して、ここまで休養していたので実戦の勘がどこまで戻るかという懸念もある。だが、そこは天皇賞・秋6勝を誇るレジェンドが鞍上なだけに、上手く立ち回るのではないか。陣営も「稽古での走りは抜群で、しっかり乗り込んで来たので初戦から力を出せる」と強調。「末脚を活かせれば勝負になる」と強気なコメントをしている。
順調さで言えば明らかにイクイノックスに分があるが、曲がりなりにもダービー馬である。貫禄を見せて欲しいという個人的感情も込みの押さえである。
一方、7番イクイノックスと9番プログノーシスは消し。
プログノーシスに関しては、今年の金鯱賞(G2)からの快進撃や過去10年、札幌記念経由でこのレースに臨んで好走した馬は連対馬以外いないという強みはあるのだが、東京コースが初めてというところに引っかかりがある。広い上に直線が長く、坂もあるこのコースを初体験で頂上決戦となると、荷が重いのではないだろうか。
イクイノックスに関しては、正直なところ取りこぼしくらいはあるだろうが、3着を外すイメージがつかない。それだけの実績を積んでおり、昨年の覇者でもあるのも強み。ただ、宝塚記念(G1)で勝ちはしたものの、重賞1勝の牝馬にあれほど詰め寄られる競馬を見ると、果たして……と思わなくはない。その馬が結果的に凱旋門賞(G1)で4着に好走しているのだから、実力はあったのだろうが「それにしても……」である。
両馬とも「来たらごめんなさい」という話であるが、万が一を予想するのも競馬の楽しみである。
以上、今回は3番、4番、5番、10番の4頭で3連複BOX4点勝負とする。ドウデュースが人気しているが、イクイノックスが飛んでしまえば、どの組み合わせでもそれなりに好配当になるのではないか。
PICK UP
Ranking
17:30更新- JRA内田博幸「戸崎ブチギレ騒動」から遺恨“独立”で引退危機!? エージェント“不条理”解約に「義理を通すなら……」
- JRAマイネル軍団総帥・岡田繁幸さん逝く。武豊「僕の原点、この馬と一緒に全国区になった」絶体絶命だった天才を世に放った偉大な決断と信念【特別寄稿】
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 岩田康誠「キレ散らかし」返答にインタビュアーもタジタジ…名手が信じたドウデュース世代の実力馬が有馬記念前に答え合わせ
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
関連記事
【天皇賞・秋予想座談会】イクイノックスとドウデュースはどっちが強いの? 「陣営の思惑」も透けて見えた追い切り…ラオウとトキってなんのこっちゃ
皇帝シンボリルドルフは何故、天皇賞・秋(G1)で敗れたのか。単勝88.2倍の格上挑戦馬にまさかの後塵…競馬から「絶対」が消えた日【競馬クロニクル 第28回】
「勝ちにこだわるなら」リーディング厩舎が天皇賞・秋(G1)に送る刺客! 綿密に計算された勝利へのシナリオ
【天皇賞・秋】「普通に勝つでしょ」ドウデュース眼中になし!? 自己ベスト「大幅更新」に見えたイクイノックスの進化と陣営の余裕が示す意味
【天皇賞・秋】スターズオンアース「回避」も重度に至らず。「指示通り乗れなかった」苦笑のM.デムーロと秋の女王決定戦「緊急参戦」はあるか