【宝塚記念(G1)展望】大本命・武豊キタサンブラックが「凱旋門賞制覇」に向け出陣! 現役最強馬による「春古馬三冠」の大偉業達成なるか!?
注目の1週前追い切りは、若い馬を先に行かせる形の3頭併せ。栗東のCウッドコースでえ6ハロン79.1秒、ラスト12.4秒で最後はしっかりと先着した。見守った清水久詞調教師も「何もかもが予定通り」と万全を強調。昨年は3着に敗れているが「あの頃とは馬が違う」と、史上初となる春古馬三冠に自信を滲ませている。
ちなみに2006年の宝塚記念のディープインパクトの単勝は1.1倍だった。キタサンブラックは”英雄”にどこまで迫れるのだろうか。今や当時の大スターと比較するに相応しい立場まで上り詰めていることは確かだ。
そんな絶対王者を止めるのは至難の業といえるが、今年で58回を迎える宝塚記念の歴史はメジロマックイーンを破ったメジロライアンや、テイエムオペラオーを破ったメイショウドトウなど「悲願」に溢れている。
ならば今年の出走メンバーの中で、最もG1勝利に飢えているのは間違いなくシュヴァルグラン(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)だろう。
5歳となり完全に本格化を迎えたシュヴァルグラン。阪神大賞典(G2)では完成度の高い完璧な競馬をしながらもサトノダイヤモンドに屈し、天皇賞・春ではそのサトノダイヤモンドを打ち負かしたものの、今度はキタサンブラックを捉えきることができなかった。
姉のヴィルシーナがヴィクトリアマイル(G1)を連覇し、妹のヴィブロスに至っては今や国際G1馬として世界に名を馳せている。だが、シュヴァルグランは若駒の頃から「G1級」と評されながらも、ここまでG1では2着が最高。2度の3着があるなど、あと一歩の競馬が続いている。それもこれらの好走レースは、すべてキタサンブラックに敗れているものだ。
栗東のCウッドコースで行った1週前追い切りは6ハロン81.1秒で、ラスト12.6秒。キタサンブラックと比較しても時計は平凡で併せ馬も遅れたが、調教駆けする馬ではないので心配ないようだ。主戦の福永祐一騎手も「調教を消化できているかが大事」と問題なしを強調。悲願達成に向け、準備は整っている。