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【福島記念(G3)展望】パンサラッサも飛躍した「実力伯仲」ハンデ戦……ハナ争いを制するものがレースを制す?

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 12日、秋の福島開催で唯一実施される重賞・福島記念(G3)が芝2000mを舞台に行われる。過去10年で逃げ馬が「3-0-1-6」と好成績を残しているこのレース。2年前にはパンサラッサが重賞初制覇を飾り、その後大きく飛躍を遂げた。今年は第二のパンサラッサが誕生するか。

 テーオーシリウス(牡5歳、栗東・奥村豊厩舎)は、デビューからダートで使われ、3歳春から1年以上1勝クラスに停滞。その間は10戦連続で馬券圏外という条件馬だった。

 しかし、4歳夏に芝路線へ転じてから徐々に頭角を現し、5歳となった今春に3勝クラスを卒業。3走前の巴賞(OP)で3着に好走すると、2走前の函館記念(G3)こそ16着に大敗したが、前走の小倉記念(G3)でエヒトの2着に食い込んだ。

 その前走はハナを奪って、1000m通過58秒7とやや速いペースで逃げての粘り込み。芝では12戦中11戦で逃げているようにテンのスピードが魅力で、前走のように自分の形に持ち込めればしぶとさを発揮する。

 一方で2走前のようにハナを切れないと脆さを露呈するのはいかにも逃げ馬といったところだ。今回は前に行きたい馬もそろっており、枠順と並びが大きなカギとなりそう。

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ユニコーンライオン 撮影:Ruriko.I

 昨年の当レースを制したユニコーンライオン(牡7歳、栗東・矢作芳人厩舎)もテーオーシリウスと同様に逃げてこその馬だ。

 2年前の宝塚記念(G1)で2着に逃げ粘っているように、実績はこちらが上だが、その後に蟻洞を発症。約1年の長期休養があった。

 復帰してからは「1-0-0-10」と低迷しているが、唯一の勝ち鞍が昨年の当レースだ。その時は1枠を利して先手を奪うと、中盤にペースを緩めることに成功。ブリンカーの効果もあって、そのまま逃げ切った。

 今年は宝塚記念から札幌記念(G2)まで3戦連続2桁着順と不振が続いていた。前走・富士S(G2)も9着に敗れたが、久々にマイルを走ったことが起爆剤となるか。前半3ハロン34秒0のハイペースを2番手で追走できたことで、2ハロン延びる今回はテンから出していける可能性はかなり高いだろう。昨年のように中盤にペースが緩む展開にできれば連覇の可能性も十分考えられる。


 シルトホルン(牡3歳、美浦・新開幸一厩舎)は、数をこなしながら徐々に成長。3歳秋の時点ですでに12戦とレース経験は豊富だ。

 今年5月に3歳1勝クラスを勝利し、続くラジオNIKKEI賞(G3)ではエルトンバローズに敗れたが、レーベンスティールに先着を果たしており、重賞でも上位に入る力はある。

 秋はセントライト記念(G2)で始動するも、距離がやや長かったか、好位から伸びを欠いて7着に終わった。そして、前走は1ハロン距離を短縮して2000mのオクトーバーS(L)へ。逃げたヤマニンサルバムから3馬身ほど離れた2番手をポツンと追走すると、そのままの隊列でゴール。ヤマニンサルバムから1馬身半差の2着だった。

 今回も逃げ馬を前に見ながらマイペースで好位を進めれば上位争いに加わりそう。大野拓弥騎手が継続して騎乗しているのも心強い。


 シルトホルンと同じく先行力が持ち味のウインピクシス(牝4歳、美浦・上原博之厩舎)。全4勝を4角2番手以内で通過した時に挙げているのが何よりの証拠だ。

 オープン昇級後は中山牝馬S(G3)8着、福島牝馬S(G3)13着と苦戦していたが、前走のクイーンS(G3)で2番手追走からドゥーラの2着に粘り込んだ。1ハロンの距離延長に対応できれば勝ちが見えてくる。


 有力馬に逃げ先行馬がそろった本レース。思わぬ乱ペースになれば、ホウオウエミーズ(牝6歳、美浦・池上昌和厩舎)が浮上する。

 重と稍重で全5勝を挙げている道悪巧者だが、近走は良馬場でも安定した成績を残している。重賞でも、3走前のマーメイドS(G3)が10番人気で、2走前の七夕賞(G3)は13番人気で、それぞれ3着に入り高配当を演出。今回は上位人気グループの一角を占め、配当妙味には期待できないが、押さえておくべき存在だろう。


 この他には、函館と札幌で走った近2走でマクリの競馬を見せて3勝クラス勝ち、リステッド競走2着と結果を出しているアケルナルスター(牡4歳、美浦・清水英克厩舎)、ダービー馬ワグネリアンの全弟で、前走・小倉日経オープン(OP)で待望のオープン特別初勝利を飾ったカントル(牡7歳、栗東・藤原英昭厩舎)、昨年春の福島牝馬Sを勝利したアナザーリリック(牝5歳、美浦・林徹厩舎)などにも注意が必要だ。

 勝利への近道ともいえるハナ争いを制するのはテーオーシリウスか、それともユニコーンライオンか。福島記念は12日、15時20分に発走時間を迎える。

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