坂井瑠星「ここまで離すとは…」矢作調教師「これほど強いとは…」フォーエバーヤングの強さに陣営も驚き隠せず…三冠馬ミックファイアとの直接対決にも期待
13日、川崎競馬場で行われた全日本2歳優駿(G1)は、好位から抜け出す積極策で押し切ったフォーエバーヤング(牡2、栗東・矢作芳人厩舎)が優勝。1番人気に応えるとともにデビューから無傷の3連勝で王座に就いた。
レース後のコメントで、主戦の坂井瑠星騎手が「ここまで離すとは思っていませんでした」とパートナーの強さを振り返れば、管理する矢作調教師も「これほど強いとは、と少し驚いています」と嬉しい誤算が重なった。
「ウマ娘オーナー」として知られる藤田晋オーナーも、来年のダート三冠やケンタッキーダービー(G1)、サウジダービー(G3)の出走も視野に入るほど会心の勝利だったようだ。
藤田オーナーといえば、先週の阪神ジュベナイルF(G1)に出走予定だった所有馬のボンドガールが右前肢の打撲で出走を回避するアクシデントに見舞われていたものの、その代わりにフォーエバーヤングが大きな喜びをもたらしてくれた。
また、坂井騎手も安定感を増した好騎乗で鮮やかな勝利を決めている。
初戦は好位からの抜け出し、2戦目は後方から追い上げる苦しいポジションを跳ね返して勝利。今回の全日本2歳優駿では、12頭立ての大外枠からスタートしたが、先手を主張して早々にインの経済コースを確保して押し切ってしまった。
「まるでチャンピオンズC(G1)の再現VTRでも見ているかのような好判断でした。坂井騎手もどういう乗り方をすれば、リスクを減らすことができるかもシミュレーションしていましたね。
後ろからでも前からでも力を発揮できるフォーエバーヤングの自在性も目を引きます。一本調子の逃げ馬なら、他馬に競りかけられたり、ペースが上がったりした際に脆さを見せるケースもありますが、なんというか肝が据わった感じです。
これなら海外でも実力を発揮できそうな雰囲気もあるので本当に楽しみ。近年にない盛り上がりを見せているダート路線ですが、来年はさらに期待出来そうですよ」(競馬記者)
三冠馬ミックファイアとの直接対決にも期待
向かうところ敵なしのフォーエバーヤング陣営としては、新たに整備された3歳ダート三冠への挑戦が最有力か。
今年は2001年のトーシンブリザード以来、22年ぶりに無敗の南関三冠を達成したミックファイアの登場で盛り上がったが、1年のズレで賞金面の差が大きく出ていたことでも話題となった。
もしフォーエバーヤングが、この勢いのまま3歳ダート三冠制覇を達成した場合、羽田盃(G1・3500万円→5000万円)、東京ダービー(G1・5000万円→1億円)、ジャパンダートクラシック(G1・6000万円→7000万円)と上乗せされる賞金の獲得も期待できる。さらに、三冠達成なら8000万円のボーナスも交付というオマケまでついてくるのだ。
改革前年に三冠馬となったミックファイア陣営としては、大差のついた賞金も気になるところだが、将来的に2頭の直接対決が実現する可能性も十分にあるだろう。
同年にフェブラリーS(G1)とチャンピオンズCを優勝したレモンポップの主戦も務めている坂井騎手の動向も気になるが、これからのダート戦線の最強馬争いがますます盛り上がることは間違いない。
JRAとしては、3歳の新ダート三冠が整備されたメモリアルイヤーに超大物候補といえるフォーエバーヤングが登場したことは、まさに願ったり叶ったりだったのではないか。
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